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2月の映像夜間中学 [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

学長到着まで、フランスのアニメーション映像?を見せられる。アニメと実写のモンタージュのような映像(学長の話しでは、どうやらこの作品のパート2が製作されるらしく、学長もその製作素材として亀一郎の写真などを送ってみたとのこと)。
2040頃、学長到着。佐川さん関連で用事があったとのこと。佐川さんといえば、先日、上機嫌なファクスが来た。週刊新潮の「あの人は今」的な記事に載ったことだった。佐川さんの場合、無報酬(タダ)で「人殺し」なんて書かれると怒るが、それなりに金がもらえると喜んで記事をOKする。

■そこからまた例のアノ人の話題へ。学長は、例のアノ人を「ある意味、男らしいといえば男らしい。怪文書配る時も、普通はそういうものは匿名で出すのに、アノ人の場合は自分の連絡先をキチンと書いている」と評価されていた。納得。

■その話題から「マヌケと慢心は違う」というお話へ。「夜間中学に何回か来ている人は、同じビデオを見ると「あ、またこれか」と思っちゃう人もいるだろうけど、それはどうだろうか。自分などは、何回見ても新たな発見がある。だから『あ、またこれか』と思う前にまずはみる」とのこと。

■やがてライブドアの堀江社長の話になる。「最近ホリエモンが話題になっているが、自分のユーモアの範囲とは異なる。神田さんという講談師が怒りの記事を書いていたが、自分はそうは思わない。ホリエモンがいいか悪いか、ホントはわからない。人の世の基準は変わるものだ。オレはこういう時だからこそ、正義の味方ホリエモンというべきなんじゃないかと。掟破りも良いが、間違えると慢心の方へいく」

■「なんだか、相田みつをモドキが最近多いネェ」と学長。「相田みつをはじいさんになって縁側で茶を啜りながら見て見りゃイイ言葉だななんて思うけど、若い奴がそれをやっちゃいけない」なんとなく相田みつをの連想としてオフコースの話しに。学長の知人で会社社長やっている人から聞いた話らしいが、会社で社員がこっそりCDを焼いていた。社長がふとのぞいて「何焼いてるんだ?」と聞いてみた。社員は「オフコースです」と答えたらしい。そこで社長は「そんなオフコースなんか聞いてちゃダメになるよ」と説教したそうだ。よく、DQNというかヤンキーというかああいうヤツがHIPHOPをがんがんかけながら黒い車で爆走していたりするが、学長曰く、そういう人は怖くないとの由。「一番怖いなと思うのは普通のおとなしい会社員が、オフコースをガンガン大音量でかけまくっていることです」含蓄のあるお言葉だ。

■「『分際(ぶんざい)』ってのはすなわち『役者が違う』あるいは『~の星の下に生まれた』という言葉と言い換えてもよい」と学長はおっしゃる。「これから見るビデオで、(例のアノ人は)まさしく役者が違う。オウムと話し合っているが、人を使う側の人間としての役者だな、と思う」

■ビデオでは、アノ人とオウム(アレフ)の荒木広報部長、あともう一人のオウムの男性(名前役職失念)司会の女の子が映っている。「この町においてください」という歌を披露。その後座談会。荒木氏に対し「オウム止めればいいのよ」などともの凄いことをいう。座談会として成立していないのだが、そのうけている荒木広報部長のなんともいえない疲れ切ったうんざり顔がステキ。どうにもまとまりがない座談会が無理矢理打ち切られ、アノ人の唄。その一節「カラスとオウムがともに飛び立つ~」というくだりに神をみた!根本学長は「さんざん勝手なことをしゃべったあとにいい気になって歌う歌がまたいいんだな。さっき見るたびに発見があるといったけれど、どうも見れば見るほどわからなくなっていく感じだ。ひとりひとりが主役!ってよくいうけど、これ見てわかるとおり、、そうじゃない。戦うなら戦う、傍観者なら傍観者。それぞれの役割に徹するべきだ」

■そこで矢沢永吉「ランアンドラン」の映像。暴走族(珍走団)が「俺も暴走族頑張るから永ちゃんも頑張れ」という声だけながした。俺も頑張らなきゃイケナイ、と学長。

■池玲子が出ているポルノ映画の予告編。「現代ポルノ伝 先天性淫婦」。画面を埋め尽くすsex の文字が笑える。

■神戸造形大学の先生、相原さん?と座談会で5時間エロ話に終始した話題へ。「エロ話の話芸の最高峰はユンさんなんだけど、そういう話芸ではないエロもいいんだな。ユンさんが講談とか落語なら、相原さんはパンクだ。エロ話のパンク」その一節が読み上げられる。『クロールとスペルマは似てる!』という下りにまたしても神を見る。ひとしきり読み上げたあと、学長は「しかし単なるエロ話ではなく、批評性を感じる。クリエイティブなエロ話だ。自分もそんな感じを目指したい」

■水木しげる先生が出てるビデオ。インド人の留学生がお化け妖怪とはなんぞやと史跡を巡ったりしている。そこで妖怪といえば水木先生というわけで御大登場。「アノ人と水木先生は同じ調布に住んでいるが、お互い相手が見えない。違う宇宙をお互いに生きている。マヌケの時にはオバケとしてすぐ抜けてくれるが、慢心していると、それは魔物になる」

■「この夜間中学をなんでやっているのかは、何度でも改めて考える必要があるから。結局は慢心しないように、ということかな。ということで、これも何度か見ているが…」と流されたのはコレしかない!安藤昇の主演映画の挿入歌『黒犬』の映像。またもや「小僧、糸のないギターを弾いてくれ」を見る。「この5年続けてきたのは、みんなに慢心しないようヒントになればと思って」とのことだった。

■最後に超弩級のビデオが流される。ウェザーリポートのウェイン・ショーターが某信濃町に関係する宗教の信仰を告白するビデオ。ウェインと妻は生まれた娘が病気だったこともあり、ハンコックに誘われ、某学会へ。ところがその後、娘は死亡、妻も飛行機事故で亡くなっている。ここで後ろの客席から「だめじゃん」という声がぽつりと漏れた。ウェインはそれでも、自分は信仰のおかげで死んだ彼女達ともつながっている、と信仰のありがたさを吐露している。信じる者は救われるんだなあ。

最後に、「自分の心に神をもて」という勝新のマイウェイ映像にて終了。


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1月の映像夜間中学は [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

このような根本敬学長お手製教科書つきです。
2028現在まだ学長は現れません。最前列ど真ん中に座っていたカップルは帰りました。近くにいるキモデブは態度がでかい上にゲップを繰り返します。
そんな中でも我々は子羊のように学長を待つのです。合掌。


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2005年11月の映像夜間中学 [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

UPLINK FACTORYで行われる根本敬先生主催映像夜間中学。
漫画家根本敬先生が、映像とトークで誘う因果鉄道の旅でございます。

学長、20:30頃到着。
今回はロックンロールとしての生き方を追求したいとのお話。

■そしてロックンロールといえばこの人でしょうという方が登場する。そう内田裕也『コミック雑誌なんかいらない』。内田裕也といえば例のハドソン河を泳いでいるパルコのCMを思い出すけれど、あのかっこよさを映画にしたのが「コミック雑誌なんかいらない」だと思う。(映画についてはまた別の機会にレビュー予定)その映画のラスト、豊田商事そっくりの場面が流れる。報道陣がマンションの一室前に集まり、わいわい騒いでいる。裕也さんもその一人。と、そこへ、ビートたけし扮するヤクザがやってきて、ムリヤリ窓の鉄格子を外し、中へ進入していく。報道陣は外で恐る恐る中の様子をうかがっているだけ。中へ入ったヤクザ2人は、奥の部屋に隠れていた男を暴行し始める。裕也さんは単身、窓から中に入り、彼らを止めようとする。しかしボコボコにされ気絶、結局男は刺されて死んでしまう。勝ち誇ったように窓から出てきたヤクザは「警察呼べ」とふてぶてしく叫ぶ。しばらくして裕也さんが部屋から出てくると、報道陣がむらがってコメントを求めようとする。真正面からとらえたカメラ。長い無言の後、裕也さんはつぶやく。「アイ・カント・スピーク・ファッキン・ジャパニーズ」。 内田さんは行動そのものがロックンロールだ!

■村八分、キヨシローの映像が流れた後、例のたびたび話題に上る、まあいわゆるそのアノ人ですよ。アノ人の消防車の曲となる。ところが、映像が映らない。そこで次に、charの「ピアノ」を見る。小さい頃買ったピアノが、家の玄関が狭くて中に入らない、と歌うユーモラスな曲だが、学長は、この「ピアノ」と消防車の曲を続けてかけると相乗効果でなかなかイイ、とのこ と。

■ついで、10年以上前の映像。まあそのアノ人と中国残留孤児とタクシー運転手が歌うシーン。ところで当時、アノ人がカラオケ教室をやっていたのだが、そこに集まる ジジババたちのハッテンバになっていた。ジジババたちが、「お手伝いしてこなきゃ」と言いつつ、その場でカップルになっていくという状況があった。ちなみにこの運転手さんは割と真面目にお手伝いしていたのだが、なぜか突然アノ人の逆鱗に触れたらしく(触れない人がいるのかという問題はさておいて)根本学長に泣きついてきたこともあったそうだ。まったくアノ人ってば。はた迷惑な話である。閑話休題。さて映像のほうでは、運転手、孤児、アノ人が並んで歌っている。孤児はマイクが入っておらず、運転手は音痴で大声で歌う。アノ人は口パクなので、声がかき消されてしまっていく。哀切。

■さらに、アノ人続き。クレイジーケンバンドなどまわりでデビューするものがでたので、アノ人が悔しがって周りの人に「テレビに出たい」「テレビに出たい」「テレビに出たい」としつこくしつこく言いまくって、ようやく初めてテレビに出られた時の映像を・・・しかし映像が映らず。学長いわく「オレのビデオテープが写らないのは、アップリンクの機械の学歴が良くて自分らの学歴を差別しているからだ」と苦笑気味。裏方も頑張って調整していたが、結局ダメ。こういう部分に因果力というかマヌケ力のシンクロニシティを感じてしまうのは私だけでしょうか。悲哀。

■その後は竹中直人の『恋のからさわぎ』という深夜番組のDVDの第1回目。「ザ・バス」というタイトルで、竹中扮するヘンなバス運転手、いわくありげな乗客5人の不可思議ナンセンスドラマ。その乗客に2人のサラリーマンが出てくるのだが、それが我らが根本学長としりあがり寿。学長は自殺しようと思い詰めている姿を好演(?)していた。セリフのシーンはカットされた模様。

■そこで(ということでもないが)これを外しちゃいかんでしょう、と、学長のテーマでもある安藤昇『玄界灘』の例のシーンが登場。「糸のないギターをひいてくれ」という曲が流れるシーンですな。「糸のないギターを弾いてくれ」(勝新、内田裕也氏、釜が崎のおっちゃん、電氣菩薩な人、例のアノ人などに)といわれたら「ひけない」などと答えてはいけない。あくまでなんとかしてひかなければいけないのである。ではどうやって「糸のないギターを弾きまくる」のか。その技を学ぶのがこの映像夜間中学なのではないだろうか。

■次は、80年代の内田裕也氏の姿。「ロックンロールバカ」という映像。内田のライブにゲスト出演しているのは、あの勝新太郎、さすが天性のエンターテイナーである勝新、一瞬にして自らがゲストでなく主役の座へと躍り出る。気持ち良さそうに「マイウェイ」を歌う勝新。勝新に励まされ、感動して半泣き状態の内田。それにしても、若い頃の内田氏って小泉純一郎そっくりだ。まさしくロックンロールバカの感極まる一瞬であった。「これは今年流した映像の中でかなり人気が高いものでしてね」とは学長のお話。そりゃそうだよ、公開生濡れ本番を直視しているようなもの、というか、この内田氏の法悦姿を観、しかもそこへ導いているのはあの勝新なわけですよ。超大物のくんずほぐれずを目の当たりにできる機会なんて、そうそうあるわけない。寿命が3年延びそうな映像でございました。

■ここで学長が菅野さんという漫画家を紹介。彼は91年ごろだが、念写(紙になにかを写すやつ)ができるスゴイ人だった。その彼に色紙にサインしてもらったのだが、その映像を公開。確かに色紙には、サムライのような妙な人物が浮き出ていた。

■12月10日にタワレコ新宿でイベントやるが、そこに坂上さんがゲストで登場するとのこと。そこで、坂上さんの話題へ。10年ほど前(73歳の時)、初めて曲をレコードにふきこんだのだが、その時、坂上さんは年齢をサバ読んで60何歳ということで発表しようとしていたのを我々が止めて本当の年齢で発表させた、と学長のお言葉。そして、ここで、坂上さんがアノ人の元を脱走してレコード出したいと初心を語った時の映像を紹介。坂上さん自ら語るところによれば、28歳の女性と5、6年ほどつきあっていて、そろそろプロポーズしたいけれど、未だ名前が売れているわけではないので相手のお父さんに示しがつかない。ここで一発、デビューして名前を売っておけば、プロポーズもしやすくなる、とのことらしい。学長も「プロポーズするのに有利だからデビューしたいという理由がすごいですね。自分と相手との年齢差のことなんかこれっぽちも考えていませんよね」と、その歳に似合わぬエネルギーに脱帽。

そんなこんなで映像が再生されないことも何度かあって、学長も「アップリンクが引っ越ししてきてから機械が新しくなったせいか、自分の持つテープとの相性が悪くなったようだ。おそらく機械の学歴とテープの学歴が合わなくなっているんだろう。映像夜間中学と銘打っておきながら、不手際だらけでもうしわけなかった」と平謝りしつつ、今回は終了。

【夜間中学豆知識】
夜間中学は学生証があると割引になるのだが(一般¥1999、学生¥1799)、以前、学長いわく、手作りの学生証でもなんでもいいんだと。女性だったらオマンコ見せるのもオッケーだそうな。さあそこのアナタ!学生証を作るか、女性ならおまんまんを見せるか、どっちにしろ準備して夜間中学へGO!次回は天久 聖一氏がくるそうです。12/23ですたい。


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2005年10月の映像夜間中学 [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

根本学長、例によって遅刻。いつもは前日に話す内容とビデオの確認作業などでだいぶ時間を費やすが、今回は作業をしておらず、とりあえず持ってきたビデオを再生して、それからコメントを構成する、という方式でやってみようかと。そして後半には、坂上弘さんがゲストとして登場する予定とのこと。生の坂上さんを見るのは初めてであり、大変に期待。

最初、韓国のシンジュホン?先生がヘビメタにチャレンジした映像。ヘビメタなんだけどカメラワークが歌謡曲という妙な感じ。『オレの打ち上げた衛星』という曲です・・・ということだったが、ビデオ映像はシンジュホン先生の別の映像しか映らず、結局、曲はCDのみで聴くことに。

「アンドロメダ星雲から来て不動産業やってるアノ人が最近ネットで騒いでいるようなんですが、その人からこんなものが(と超長文FAXを取り出す)」
※註:つまり都下某所で不動産業を営みつつ差別撤廃を訴えているシンガーソングライターな方のこと

勝新の座頭市の3倍速画像に、妙な曲を流す(曲名不明)。

その例の人がとにかく嫉妬しまくってる、という話が続いている中、観客の一人が「すみません、退出させていただきます」と大声で申請。学長の許しを得て、退出していった。学長によれば、今退出した人も、長いこと例の人のところでお手伝いをしていて調子が悪くなった。特に上の方(頭というか精神的に)が調子悪くなっちゃった、と暴露して、場内苦笑。

また例の人の話に戻る。最近調布で、あるバンドの公演があったのだが、例の人が嫉妬してさんざん文句を言っていたので、公演日、もしかして本人が現れる んじゃないかとメンバー全員ピリピリしていた。だけど、バンドメンバーは直接その人を知っているわけではないので、しだいに、その例の人っていったいどういう人なの?という疑問が強くなり、むしろその人に会ってみたくなってきていた。もうこうなったらいっそのこと舞台に上げて1曲ぐらい歌わせたら、とまで話していたんだが、結局本人は現れなかったとのこと。

続いて、釜ヶ崎でのまつり映像。NPOなどが主催して毎年やっているらしい。その中に、健常者と脳性まひの子のデュオが出てくる。ちょっと押しつけがましいことを歌うやつなんだが、こいつらの結末がどうなるか、見ていてほしい。釜が崎の人たちってのは、こういう見え透いた善意みたいなものをすぐ見抜くんですよ、と学長の説明。

映像始まる。舞台の上で女性演歌歌手が歌い終わるところ。司会のオッサン(この人も観客のオッサン達の中からボランティアで司会を引き受けてると思われ る)の話のあと、問題のデュオ登場。前方でギターを抱えた健常者の若者、後方に車いすに乗った障害者の若者が陣取る。実質的に、健常者のアンチャンがひ とりでギター弾き語りをしているだけ。しかもこのアンチャンが自分に酔っていて、「オレは毎年ここに来てやってるんだ」的な思い上がった歌を歌いまくっている(しかもかなり単調)ので、我慢して聞いていた観客のオッサン達もしだいに怒りをあらわにし、「帰れ、帰れ」の大合唱。コップ酒を投げつけんばかりの勢い。ところがアンチャン、引っ込むどころか、「そんなに帰れ帰れ言うてもオレは帰らへん!オレは毎年毎年ここで頑張ってやっているんだ!そしてオレは今年就職先が決まった。これからも毎年ここへきて歌ってやる」などと上から見下したかのような高飛車な引き語りを続け、ヤジを飛ばしていたオッサン達もあきれはてる始末。帰れコールもどんどん激しくなり、長い長い両者の「戦い」のあと、ようやく彼らは退場していった。司会のオッサンも予想外の展開にペコペコ頭を下げていたが、観客から司会にまでヤジが飛んだため、突然オッサンもキレて、「スマンと謝っとるやないか!ワシだってつらいんや!」と声を荒げたりして、見ていた根本学長始め我々も思わず苦笑。

ここで9時頃となったので、84歳のラッパー坂上弘さんがスペシャルゲストとして拍手に迎えられて登場。彼の持ち歌である「卒業」と「交通地獄」を熱唱。声を震わせるような歌唱法にはさすがと思わせるモノがあったが、しかし本日はあまり声の伸びが良くなかった感じ。根本学長も、本人退場後、「坂上さんはきょうはおねむモードだったようですね」とフォローしていた。なお、彼の初CDがいよいよ11/15に発売される予定。

最後に、ビデオ映像。登場したのは、「カスバの女」などのヒット曲がある緑川アコ。日テレ系のニュース番組で15分くらいだがドキュメントで取り上げられていたもの。彼女は芸能界で活躍していたものの、うつ病を患い、4度の結婚、4度の離婚を繰り返し、事実上芸能活動もストップしてしまっていた。その後はスナックを経営していたようだ。その彼女が、芸能界復帰を目指し、整形手術を試みることになったという。ドキュメントは、その彼女の手術前の意気込みなどをレポートしていた。しかしその彼女の姿勢がなにか変。そもそも、整形手術したら即、芸能活動ができる、と彼女は勝手に脳内変換している模様。そのやや「高飛車」な姿勢にちょっと引いてしまう。ここで映像は白黒になり彼女が同期の女の子4人と一緒に正月、カルタ取りをしている場面に。他の4人はあでやかな着物姿なのに対し、彼女はなぜかヒョウ柄の服で一人だけ激しく浮いてる。その映像を見ながら、本人も「あたしだけ浮いてるわねえ」と言いつつも「でもこの5人の中で今でも芸能界に生き残ってるのは私だけなのよねぇ」とまたまた強気な発言。場内苦笑。そして彼女が芸能界復帰に向けて活動開始 したとのナレーションとともに映った映像こそは、我らが根本学長とのトークショーの場面でありました。またまた場内から笑いが漏れる。こうして彼女は、ある整形医のもとで手術を受けることになるわけだ。ちなみにドキュメント取材陣は、手術当日の取材を本人に拒否されてしまう。しかも、その後、取材スタッフが本人に接触できたのは、手術からずっとあとのことだったようだ。果たして彼女の芸能界復帰はうまくいくかどうか、てなところで、突然、客の一人が「すいません、トイレ行っていいですか?」と大声で訴える。そこで時計を見るともうけっこうな時間。ここで、本日は終了、ということにあいなりました。
(文責ミッチェル)


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2005年2月の映像夜間中学(後編) [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]



■ わかたけリーダー浜田さんのおはなし

舌ガン手術に臨まれる浜田さんは、根本学長に`思いきりネガティブな絵をくれ、病室に飾るから`と言ったそうだ。
「俺、ネガティブな絵というと本当にネガティブになっちゃうから。それで悩んだんですけど。見舞う意味でも希望通りの絵を送りたいが、そんなものを病室にはるとなるとなるとねえ…。解ってもらえるかどうか。ちなみに『解ってたまるか』というのは金嬉老を元にした戯曲のタイトルです。
金嬉老は初めてのアンチヒーローでして。で金さんって本当にピュアな人なんですよね。屈折したものは感じないというか。以前いったとき`アンタはなんか俺からつかもうとしてるな`とにやっとしながらいわれたりとか。`アンタみたいに一見コレ(くるくるぱーと人さし指をアタマの付近でまわして)に見える人がすごいマンガを描くんだよ、と。同じようなことはーコレとはいいませんけどー内田さんからも言われまして。まあそれはいいんですけど。辻幸雄さんも長嶋茂雄級のさわやかさがある人で。小菅近くに住んでいらしてるんですよね。もうすぐはいれるように。違うオーラを放っている方です。
それで藤本卓也先生になるんですけれども。五木ひろしが『横浜たそがれ』でようやく売れ出した頃、藤本卓也先生は、あえて実験的な曲を作ったんですね。それで五木ひろしに『五木さん、私はこの曲でアンタをつぶすかも知れませんよ』と勝負を挑んだんですね。なんで売れようとする歌手に勝負を挑まなければならないのか。森繁と勝新はこう、祝賀会やなんかでエロ話で勝負していたそうですね。なんで売れようとする歌手にワザワザ勝負を挑むのか。なんでエロ話で勝負するのか。それも解る人には解る。解らないヤツには解つてたまるか。」
「解ってたまるか、といえば早田さんのエメラルド伝説のイベントにきた若いライターが`なんであんな単にエメラルドで一山あてたオヤジが`と俺にいってきたんですね。俺もいろいろというべきかどうか悩んだんですけれども。まあ、若さはバカさなんだな。若いうちは勢いだけでいける。だからこそああいうマンガが描けたんですけれども。生きることのしがらみがわかると描けなくなるわけで。今はそういうのとの戦いになっているんだな。」

「命名はこんなおかしい世の中だから、少しでもまともにするために異常なマンガをださなければと思ってだしたわけです。」
「そういうわけで浜田さんには挑戦するためにこんな思いきりネガティブなマンガをだしました。(と原画を掲げる学長)自己批判におそわれていたら、浜田さんからお礼におせんべいが届きました。」
私はジャック・ラカンが書斎に飾っていたとされる絵ー大股びらきの女性の股間図を思い出した。確か「世界のはじまり」という題だったと思う。ラカンのように浜田さんは自分の生をみつめていたのだろうか。違う気もするが。
浜田さんは酒を主食とする日々をおくっていたそうだ。何回か倒れ、そのたびに救急車で運ばれ、病院では栄養失調などと診断される。ある日浜田さんの歯が全部抜けてしまう。舌の異変に気付いたのは、歯科医だった。
「浜田さんは美術学校出なんですけれども、専攻していたのは`最終美術思考`…。もう終わっているというかなんというか。以前夜間中学の西日本ツアーをしたとき、おっかけやってくれたんですね。そのとき、`どうも俺が思ってるより人気があるんだ`と思ったらしく、(根本学長のマンガを)全巻集め出したりして。もうすべてが余生の人、というか。
末期ガンで寂しいだろうからとメル友を紹介するんだけど、これが次々と絶縁されちゃう。そのメル友との絶遠するやりとりが間違って俺のところへ送信されちゃったりしてね。浜田さんらしいんですけど。」

深く深く学長がため息をつく。

「昨日亡くなりました。俺としては舌ガンになってから長く生き過ぎかなと。まあそこは浜田さんらしいんですけれど。午前11:55に。結局最後まで付き合っていたのは同盟だったりして。これがまた浜田さんらしいんですけれども、誰かに出した根本悪口的なメールが間違えて俺のところへ送られてきたんですよ。その後全くメールが送られてこなくて、浜田さんはこうつまらないことで、こっちがたいして思ってないようなことで、`先ほどは申し訳ありませんでした`なんてメールを送ってきたりしたから、今度も後から気付いて`ひょっとして根本は怒っているんじゃないか`とメールをだせずにいるんじゃないの?と話してたら。それが最後になってしまって。そのことを船橋に話したら、そのメールは根本に送ったんだよ、と。事実じゃないけど真実だろうな、たぶん。」
「またこれもワザワザなんですけれども、ふらっと入ったタワレコでジョン・バーレイコーン・マスト・ダイをなんとなく買ったんですね。で、なぜかはわからないんだけれども、なぜか`マストダイ`が`ネバーダイ`へと自分の中で変換されていて。ネバーダイか、こりゃ縁起がいいと思ったら。マストダイ。」
(浜田さんは)晩年相当つらかったんだろうな。晩年になってどんどん友達がいなくなる。ネバーダイじゃなくて、ホントはもうマストダイだったのかもしれない。それを言うのは俺だと思う。冥福を祈るのはかえって失礼だな、と。」

ここで映像となる。

■ マツモトジジイ
「前半は全然関係ないんですけど、これもまたイイので。」と映し出されたのは、つるっぱげの「I.S.」というグレーのトレーナー姿のジジイ。ベッドに横たわり手を上下に振るジジイと亀一郎の会話。ちんたはどこにいるんですか?などと言っている。場面は変わり、根本学長とほか男性一名がジジイととともに狭い部屋の一室で並び血栓溶解法をやる姿が。手を組み、その手を上下に激しく振る。根本学長はその体勢のままさらに首をゆるくふりふりしながら「こうするともっといいんですよ」と伝授。しかしジジイにはやる気が全然感じられず、かなりそわそわしている。(その理由はあとでわかる)
しかしどう見てもアレだよなあ…、と思っているとすかさず学長が「やっっぱりアタマおかしいよね。自分で見てても。それでこのオヤジなんですがね、男色家でずっとこっちを狙っているんですよね」
え!?と画面に注視するやいなや、ジジイが学長に襲いかかる。うひょー。ジジイに押し倒されながらも学長は「唇はやめてください。唇は○崎先生のものなんです。」「神様ありがとうございます。」などと祈り続けている。
「このオヤジ、スマタ専門なんですよね。しかし完全に取り憑かれてますね。本人はフリのつもりでも片足一本突っ込んでますね」

■ あたり屋ドウモトVS亀一郎

黒の中国服着たおっさんがでてくる。それにしてもがらくた小屋のようなウチ。
「この人は宇宙哲学を研究している人で、おいてある本は全部万引きしたものです。毎年冬になるとあたり屋やって入院してます。まあ宇宙の心理に比べたら保険金詐欺なんてねえ。」
おっさんに案内されながらカメラは家の中へ。非常にごちゃごちゃしていて、まるで某神社のようだ。
どうやら亀一郎は`ちんた`とかいうのを探しているらしい。失われたちんたを求めて。オヤジは例によって宇宙の霊がうんたらとかいう電波理論を展開。部屋からカメラは出、庭らしきところへ。犬がきゃんきゃん鳴いている。オヤジは少林寺拳法をやっていたそうで、のせられた亀一郎がオヤジから憲法を習う。だがその破壊的な動きはいかんともしがたく、ラジオ体操のほうがナンボかマシという感じである。宇宙オヤジは苦笑してどっかいってしまうが、それでも拳法もどきをやり続ける亀一郎。カメラがオヤジの行方を追うと、バンバン犬をぶん殴っている姿が…。強力に二面性がある人なんだろうか…まあそうでもなきゃあたり屋なんてできないよなあ。と、亀一郎が得意のちんぽだしを。
「診断してください」とぽろりん。はじめてみる亀一郎のちんぽはかなり小さい。勃つとでかくなるのかね。「見てくださいよ」と宇宙オヤジに迫る亀一郎。逃げるオヤジ。なぜか犬のところへ謝りにいく亀一郎。犬に`ちんたですか?`ときいたり。
印象的だったのは、ゴミ屋敷然とした宇宙オヤジの寝室兼書斎らしきところの、積み上げられた本の上にあった長髪ヒゲ姿の、若い男らしき遺影めいた写真。なんだろ、あれ。

■ 某83歳ラップ歌手のデモテープとライブ映像

「よい歌を聴くと霊性が高まるといいます。これはどうでしょうか。」とピアノと歌のシンプルな曲「ゆめの松島」をご当人のライブ映像とともに。カンツオーネみたいだ。荒い音が戦前のレコードみたいでよい。戦前歌唱のようなタキシードをきて歌って欲しい曲。
「デモテープのままがいいですね。かえっていじくるとよくないと。」
『♪ゆめぇの〜まぁつぅう〜しィ〜まァァァアァァ〜』と朗々と伸びて歌は終わった。
「霊性は高まりましたね?今日の`根本敬のイメージからは意外な映像夜間中学`は意外だったでしょうか。次回は別の着ぐるみ姿で(宇宙オヤジ)が中目黒に登場します。

お楽しみに。


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2005年2月の映像夜間中学(前編) [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]


今回の映像夜間中学は「根本敬のイメージからは意外な映像夜間中学」がテーマです。どんなことになるんだろうか。

 当日、会場はやはり混んでいる。学長前のテーブルには花園神社のオフダがある。「因果妄想電波嫉妬インフルエンザ○○○除け」(○○○の部分には有名な烏山系アーティストの名が入ります)
まだかなーと待っておるといきなりミュージックビデオがはじまる。湯浅湾のものらしい。根本学長は現れない。大音量のビデオに圧倒されていると誰かのワキガの臭いが。ワキガの臭いとコマクの痛み。気持ちよさそうにギターをひきまくる湯浅氏。裸のラリーズを連想。終わってもまだ耳が痛かった。そしてまた待ちの状態へ。
20:35頃ようやく根本敬学長登場す。
「大電気菩薩峠越えをしてると生まれてはじめてインフルエンザにかかってしまい、こんなもの着てる」とラクダを取り出す学長。かなり顔色悪い。今回は根本学長の話が中心。ビデオはかなり後半になってから上映となった。

■個展のはなし

まずはポスターカードの話題から。
「普通、表を白くして裏を色付けすると思うんですけど、住所のトコロをワザワザ4色にしました。DMに日付も漏れてるけど、裏の言葉が『解つてたまるか』だからまあいいかと。ちなみにガロ系の漫画家にはDM送りません。それは出自の違いなんですね。」個展にむかうタクシー内で絵を描いたり(しかもそのタクシーの運ちゃんがまたなりたてだったりとか)しながらノルマ10点仕上げられたそうだ。
「熱が出てもうろうとしてる時に描いてる方が色彩的には面白いですねえ。」そんな中、ビリケンギャラリーにおいてエビスさんとのトークショーイベントが開催されることに。
「オレの役割はエビスさんの"素"をより引き出せればよいのであって、もうこんなになって(と半目開きウトウト状態のマネ)もうろうとして"うん、うん、あ、そう、うん"と相づちをうつとエビスさんが「これはオレがなんとかせねば」とムリヤリなんとかしゃべる。それがまた素を引き出すのでそれはそれでよいのだな」「こんなことプロじゃとてもやらない。まあオレは"素人のプロ"であって。こう、いろんな重みを背負いながらバカバカしいことをやる。それがいいんだな

■劇画家のはなし

松本正彦氏が亡くなったそうだ。自身の本ができあがる前に。東京近郊の大型ショッピングセンター。その中にある書店に水木しげるのマンガに登場する「山田」のモデルとなった人物が店長として赴任した時の思い出。客寄せイベントしてサイン会を企画したが、店長氏独自で声をかけたのが佐藤まさあき氏。ガロに推薦してもらおうと長井勝一氏に声をかけ、命をうけたのが根本敬学長、蛭子能収氏、山田紫氏。
「埼玉の奥地でサイン会をやったわけです。もう20年くらい前かな。おれたちがそんなところ行ってもねえ。とにかく全然人はこない。純粋なファンが5人くらいかな。あとは書店のサクラが入れ替わりたちかわり。それもつきて、なにもすることがないから漫画家同士でサイン交換したりして。俺すごい佐藤まさあきが好きで、本当はものすごくサインが欲しいんだけど、そこで`自分ごときが`と。自分のようなものが分不相応だと。ほら、交換になるからさ。終わる間際に`自分は先生の大ファンでして、本日ご一緒できたことを光栄に思っております`と伝えたけどね。もらいたくももらえないところが俺らしい。蛭子さんは当然もらってます。まあこういう因果にいるから、きっとごみ捨て場で、`あ、エロ本かな?`と拾ったら『蛭子能収さんへ 佐藤まさあき』と書いてあるサイン本だったということは十分ありえるわけで。」「この話には続きがあって、このときのこと蛭子さんま〜〜ったく覚えてないんですよ。もうホントびっくりした。」

■ラジオ出演とインフルエンザ

インフルエンザの中で、根本学長はラジオ出演などもこなされていたらしい。 「またビリケンギャラリーの話に戻るんですけど。ここは長新太さんの個展やっていたりするんですよね。そこでまた`自分ごときが`と。ちょっとやりすぎぐらいにやらないと、買った方に悪いというか。飼ってる亀じゃないんですけど、別な亀に村田なんかを書いて売ってます。時価として。欲しい方は店の方と相談してください。」(後日個展を見に行った際、この`サイケデリック亀`には『横山剣さま売却済み』となっていた。)
インフルエンザのせいで自宅(“無遅刻無欠席の息子の記録を守るため”とは学長談)にも実家にも(“親を死なすわけにはいかん”学長談)帰れず知人宅でひたすら絵をかく日々だったそうだ。
「ギャラリー側からオレはおかしい人と思われてると思う。インフルエンザでもうろうとしてると思ったら一気に17点も搬入したりしてね。下らないものを立派な額に入れたりとか」

■ 83歳ラッパーのはなし

あ、そうそう、といきなり根本学長が切り出した。
「例の83歳のラップ歌手ですが、今日のNHKポップジャムにでるそうですよ。」生徒たちの間からえーーっという声があがる。
「ちなみに尾崎豊の卒業はOKがでたそうなので歌えます。」とのこと。『この支配からの〜卒業ぉ〜♪』か。なんともいえない味わいが。
「(この様子は)また夜間中学でやりますよ」というのことなのでこれは期待大ですな。
「この間その83歳ラップ歌手の方が○○プロデューサーと私と○○さんに2万円のコースを奢ってくれまして。皆さんのおかげですと。」
ラップ歌手の方はその席上、きっとCDが売れると力強く断言されたそうだ。
「10万枚売れると。そうしたら俺とプロデューサーさんには2億ずつ。○○さんには1億あげます、と。このあたりの感覚がねえ…。蛭子さんも同じようなもので、蛭子能収全集、21巻あって今7巻まで出しているんだけど全然売れない。そうすると蛭子さんは`(一冊)1400円は高いよ、もっと400円ぐらいにすれば売れるんじゃなかろうかね`なんていうんですよ。多少現場知ってて、原価もわかっているだろうにコレだもの。どこか共通するものがあるというか。」「烏山が停電になればいいんだけれど。まあでもいつかはわかって戦争…。あんなことしなければとっくにでられたのにねNHKに。」
そうだろうな、と思う。あの烏山系アーティストはとっても才能があるのに、あんなこと(あえて伏す)やこんなこと(あえて略)をしなければNHKのポップジャムあたりにはでられたであろうに。イ・パクサがHEY×3にでられるならば、よけいに。根本学長は続ける。
「現実がうまくいかないのは自分のせい、というか。××××××とかしてると神や天が運をさっぴくんだな。このあたりの事情を日景忠男さんに相談したら、『そういう人は、もっと自分の幸せを真剣に考えなさい』と言っておられたんですけど。」
(後編へ続く)


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勝敗なき勝負を戦い続けるには!?-映像夜間中学の旅2005年1月(その2) [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

■ 唐十郎監督安藤昇主演「玄界灘」

では勝敗なき勝負を戦うというのはどういうことなのか?ということで、唐十郎氏(「近所のお友達の敵ですけど」)監督安藤昇主演「玄界灘」の劇中歌「黒犬」がその場面とともに上映された。前後関係はわからない。安藤昇は米軍兵士の識別証みたいなネックレスを手にいっぱいジャラジャラともち、ボロボロの汚い小屋みたいなところで(後に廃船と判明)それを磨いている。「♪~糸のないギターを弾いてくれ、小僧!糸のないギターを弾いてくれ...」しばし語りが続いた後「♪なぜそんなに飢えるのか~俺のくろ~いぬ~♪」という歌が流れる。「だから大切なのは糸のないギターを弾いてくれといわれ、糸のないギターを弾けといわれてもやっぱり弾けない。でも弾かなくてはいけない。でそのヒントはですね、ぴんからトリオの宮五郎にあるんだな。宮史郎(※注釈1)の横でボーっとして糸のないギターを弾く宮五郎の姿にそのヒントがある。弾けないと早田さんみたいな人とは付き合えないですし。」

■ PANTAと電気菩薩

根本学長が頭脳警察のPANTA氏と会ったとき、電気菩薩の話となったそうだ。内田氏と対談したという話から電気菩薩の話となると、俺は同じような意味で自分のアルバム誕生に電気牧場という風に使っているよ、と言われたそうだ。早速探すと、誕生には電気牧場という題の曲はなく、歌詞の中に使われていた。ちなみにその曲名は「あなた方の心の中に黒く色どられていない処があったらすぐ電話をして下さい」(この題、例の烏山系アーティストを連想...。「N○○に一日十回電話しなさい!といわれたのをね...ええ...」)PANTA&HALのライブ映像をバックに電気牧場の曲が流れた。電気菩薩はイイ言葉だね、俺も使っていい?とPANTA氏より提案があったとのこと。「個人検閲機関がナカナカ厳しい」ので、被害にあわないといいですけどね...。

■ パン店こさり(※注釈2)の映像

「夜間中学版NHKアーカイブですね」と根本学長。「これ、いつも夜間中学で流そう流そうと思いながらずっと流せないでいたんですが、今回は流せそうなので」ドキュメントの前になぜか釜が崎越冬まつりのニュース映像らしきものが。手違いのようだが学長は「あ、ここでね、ステージのおばちゃんと握手するとき股間触る親父がいるんだよ!よくみてて」とそのまま続行。‘釜が崎人情’を簡素なステージ上で熱唱する演歌歌手のおばちゃん。歌いながらステージ下の観客と握手するんだが、本当に股間触っている親父がいた。いいなぁ。そこで本編に戻り、こさりのドキュメント映像となる。ナレーションは樹木希林氏。内田氏ではじまり希林氏で終わる。これもワザワザだなぁ。テーマは喜納昌吉...しかも花~すべての人の心に花を~だ。どうしてこういうドキュメントってこのテの曲になるんだか。人生解毒波止場の因果航海日誌で触れられていた‘フサさん’である。カメラをがんがん叩いたりして、かなりエネルギッシュな人だ。こんな言い方をしたら大変失礼だけど、このドキュメント、フツーに面白い。視線とか距離のとり方なんかにありがちな過剰な思い入れというのをあまり感じなかった。‘しょーがねーなー’という苦笑交じりの温かさがにじむ。‘そういう仕事’をしているFはいろいろと興味深いらしく、ふむふむと感心してみている。ビデオ借りたら?ときくも「うーん、ちょっと古いからねえ」確かに古いのだが、とにかく縦横無尽に走り回るフサさんにひきこまれっぱなし。根本学長が「‘高野聖’にでてくる白痴はおそらくこんな感じじゃないのかと」というユキオくん確かに神々しい。余り登場しないのに強く印象に残る。時間のせいか内容のせいか、このあたりで途中退場者続出。もったいないデスネ。しかしフサさんは本当にスゴイ。近くの中学校から女子中学生がこさりを見学しにくるのだが、無邪気に、わーなんて手をたたいている女子中学生に対し、じゃあ一曲、と「あなたの肌が恋しい~♪」(うろ覚え)というような歌をうたったり、「男と寝るのも好きやねんで」と言い放ったり、あるいは実のお姉さんに「この淫売!」と怒鳴ったり。いやはや。あげく、地元の祭りののど自慢大会に出場したが曲などを間違えてうまく歌えなかったから、と撮影カメラマンに蹴りを入れて八つ当たりする始末。しかしこののど自慢で唄ったのはパンソリか?とても上手だった。その他店のおつりを盗んで逃亡したり等々トラブルを起こすのだが、なぜか憎めない。時折見せる表情が驚くほど道LA STRADAのジェルソミーナ(※注釈3)に似ている。ジュリエッタ・マシーナがフサさんと同じような障害者に取材したのだろうが、それにしても酷似していた。フサさんが通っているホンモノ(というか表というかなんというか)の‘夜間中学’の模様が紹介されると観客はやんややんやの喝采をおくったり。最後にメッコールと書いてある自販機(メッコール専用?)もうつされ、とにかく大満足。

■ 「私の人生は映画」

ユキオくんに連なる人物として蛭子さん。彼らは無意識派の代表であり、かたや早田さんや神軍平等兵といった自意識派がいる。「自意識派の人って必ずいうんですよね'私の人生は映画です'って。」勝新いわく映画はNGギリギリが完璧だそうで、「そうすると人生はNGギリギリが完璧ということになりますね」ジョニー・ギター・ワトソンの話になる。フランクザッパもリスペクトするブルースマン。勉強不足の私は初耳だった。「名前に'ギター'と入れているくらい、つまりギター=自分というか」彼は97年日本公演中に亡くなる。横浜のステージ上で。皮肉なことに‘ジョニー・ギター・ワトソン’なのに、演出上の理由でギターを持たずに死んだ。(最初はギターを持たずに唄い、2曲目からギター演奏する段取りだった。)
「これはNGなのか?さっきの話にてらしあわせると。NGなのか?と問われると―俺はOKだと思う」

私もOKだとおもった。

(20:25に始まり、終わりは23時過ぎ。お疲れ様でした)

※注釈1 宮史郎 ― ぴんからトリオ。「女の道」で有名。なお宮史郎のHPは3846WEBという名。とってもイカス。

※注釈2 パン店こさり ― 身寄りのないユキオくんを養育する目的で設立されたパン屋。彼は重度障害者でしゃべることも自分で飯を食うこともままならない。だが社長である。それが納得できるからすごいと思う。

※注釈3 ジェルソミーナ ― 道LA STRADAにでてくる知恵おくれの女芸人。貧しい家から大道芸人のザンパノという粗暴な男に買い取られ、悲惨な目にあいつつも魂は美しい。かなしみ。


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2005年1月の映像夜間中学 (その1) [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

さて映像夜間中学です。
毎月渋谷のUPLINK FACTORYで行われる根本敬先生主催のイベント。なるべく毎月行くようにしているのだが、12月は参戦できず非常に悔しかった。
で、1月の夜間中学です。

今回は「根本敬学長の年賀状プレゼント」ということもあってか、先々月参加したときよりも混んでいた。

「解つてたまるか」学長の本年の決意だろうか。20:25頃スタート。本日のテーマは「見てはいけないモノを見るのか?映像夜間中学」。
「そんなこといったってここに来る人たちはもう見てはいけないモノをガンガン見ているわけですから、これ以上ないんですけれども」
根本敬学長(以下学長と略)「いわく、4月頃映像夜間中学の内容を変える予定だそう。映像+学長のしゃべりというスタイルを変えるのだろうか。エメラルドカウボーイの話になる。先々月の映像夜間中学でこの「エメラルドカウボーイ」の案内を見たとき、「これって神軍平等兵に似てる…」と思った。Fにいったが「えー、そんなことはないよ」と賛同は得られず。しかし根本学長は
「(案内チラシを掲げて)最初見たとき、アレ?これ神軍平等兵…と思いました。そういえばロフト気付でお歳暮が届いたんですよ。神軍平等兵から」
やはり間違ってなかったじゃーん、と思いつつ。今回の映像夜間中学は主に「エメラルドカウボーイ」ネタで占められることとなった。
「こういう映画ってみると笑っちゃうんですけど、笑ったら負けだぞということをわかっているかどうかなんだな」

* 今回上映されたビデオおよび披露されたエピソード *

 エメラルドカウボーイの早田さんについて

年末に早田さん(コロンビアのエメラルド王。エメラルドカウボーイは早田氏による早田氏の自伝映画である)が所ジョージと明石家さんまが司会を務める番組に出演したときの模様。
「これで日本のマスコミが早田さんをどのように見ているかが解ると思うんですよね」確かに微妙な扱い。

 某ロケンロール氏と早田さんの対談について

某ロケンロール氏と早田さんの対談のエピソード紹介。対談のはじめとおわりに“宣言”として電気菩薩とはなんなのかっていう例のアレ(勝新の言葉)を読んだそうだ。某ロケンロール氏はこの対談に物凄い乗り気で、部屋に入ってきた途端「はやくはじめろ、俺は聞きたいことがいっぱいあるんだ」とのたまったそう。“宣言”を読んでいる間も苛ついたしぐさを連発。何回か「いい加減にしろ!!」と怒鳴られたそうだが、「そのたびに例の不動産屋さんの奴隷時代と奥崎さんと映画撮った時を思い出して“申し訳ございませんッッッッッ!!!”」そしてここでも“ワザワザ”があったという。某ロケンロール氏が可愛がっているバンドの人と早田さんのお嬢さん(映画にも出演している)が一緒に音楽活動をしていたそうだ。「予感はしていたんですけどね。やっぱりこういうワザワザというかシンクロニシティって絶対起こるんですよ。こういう場では」途中から早田氏と某ロケンロール氏は英語で会話していたようで、そしてその方が意気投合していた、とのこと。それはものすごく不思議な光景だろう。とても楽しそうに会話していたそうで、最後はベッドに二人並んで記念撮影をした模様。嗚呼、お守りに欲しいっす。そのシャシン。なおその対談の〆としてまた「電気菩薩に関する例のアレ」を読み上げたところ、今度はロケン氏、最初とはうってかわって神妙な表情で、ウンウンとうなずいていたそうだ。

そしていよいよ
■ 蛭子さんVS早田さんの対談

勝敗なき勝負を目の当たりにするのだ!!!
それは1/22の東京キネマ倶楽部で行われた「エメラルド王伝説」イベントでの出来事だった。「蛭子さんは抑えの切り札なんですよ」先発ロケンロール氏、おさえ蛭子さんとはまさに磐石。どんな攻撃も受けきるッッッッッッ。蛭子さんは登場時点からかなり眠そう。早田さんはギア全開フルスロットル状態。マシンガントーク炸裂。時折「私ばかり話してしまって申し訳ないです」と丁寧な口調で侘びが入る。「これ(お詫びの言葉)奥崎さんも必ず言うんですよねぇ」身振り手振りで撮影時の苦労話を熱演する早田さんに蛭子さんが「実際に、あの、撃ったんですか?」(うれしそうに)そして時折よだれ…。加えて“舟こぎ”。しかし話題が、エメラルドカウボーイ鑑賞者には抽選で早田さんよりエメラルド原石プレゼント、の話になるやいなや今までうつらうつらしていたのもどこへやら。物凄い勢いで身を乗り出し「えっ!?もらえるんですか!?」ホントすごいなこの人。早田さんの話は延々と続く。いささか退屈してくるとそれを見越したように学長曰く「このウンザリ感が大事なんですよ」
しかし蛭子さんを“本当にすごいな”と尊敬したのは、話題が■1で記した所ジョージ氏の年末バラエティ出演にうつると「オレね、所ジョージから嫌われとるんだよネ」そのほか「お金って欲しいもんですよ」映画について「素人でネぇ…まァ、素人の良さがあると思うけど…」「“シベリア超特急”(※注釈)とはちょっとちがうネぇ」などと蛭子悪魔語録とでもいうべき率直過ぎる発言の目白押しにぶちまかされたとき。異種格闘技戦頂上決戦である。(ただし勝敗はない)「時間が押してる」というスタッフからの連絡にその場を〆ようとした根本学長だが、早田さんの怒涛の寄りにわずかに俵へ足を残すのみとしながらも、なんとか死力を尽くして寄り切った。
私があー、イイなァと思ったのは、根本学長が蛭子さんを指差しながら「この男は今まで遠隔操作で何人も人を殺しているんですッッッッ」と、まるで“おまわりさんこの人です!”、もしくはイジメっ子を先生に言いつける子供のようなカンジで早田氏に話していたトコロ。非常にほほえましい場面だった。
(その2へ続く)

シベリア超特急 特別編集版〈豪華愛蔵仕様〉

シベリア超特急 特別編集版〈豪華愛蔵仕様〉

  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • 発売日: 2001/11/23
  • メディア: DVD


※注釈 シベリア超特急とは映画評論家の水野晴郎先生が監督主演した大カルトムービー。そのラストは衝撃と感動(?)を呼び一部の話題と人気を独占した。一作だけで終わるかと思いきや、周囲の困惑と期待をのせて暴走超特急とかし怒濤のシリーズものとなる。↓以下に主な作品をまとめてみました。(これ以外にもいろんなバージョンがある)


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「やっぱりちょっとはさむいよね」2004年11月の映像夜間中学(後編) [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]

(前編より続く)
■ 裸のラリーズのビデオ

真実派に対して謎派(「まあ不動産系シンガーソングライターの方もそうですけど」)として裸のラリーズ・水谷氏の話になる。

よど号事件の若林さん(ラリーズオリジナルメンバー)から暑中見舞い葉書がきてね、“コレで最後の暑中見舞いかもしれません”なんて書いてあるんだけど、それに“日本に帰ったらオリジナルメンバーでラリーズやりたいデスネ”って書いてあったの
そして流れたラリーズライブ映像。
かなり歪ませたギターノイズ、ベースとドラムが絡んで非常によいグルーヴ。前の男性とミッチェルは寝ていたけど。(あの爆音で眠れるのはすごいよな)ずーっと聞いていたいと思う。終わってしまったときは、アレ?もう?なんて思ったが、丸々20分は流していたそうだ。「水谷さんがなんでこんな大きな音でギターを弾くかっていうと、こう、トイレでうんこしていてさ、その外を小鳥がピヨピヨピヨって通ってね、ああ小鳥に見られちゃったから恥ずかしいなって思う、つまり恥ずかしいからあんなに大きな音をだすわけであるんだよ…俺にとって、金さんの話を聞くことと水谷さんのギターって言うのは、イコールなんだよね。ちょっと妄想入っているんだけど、水谷さんこそ最高の漫画家っていうか、自分が目指す漫画家であると思っている。
(うんちしているところを小鳥に見られちゃって恥ずかしい、とは電氣菩薩に出てくる某烏山系アーティストのエピソードである。)

■ デモ隊と亀一郎

で、これは真実派というかたまにこう、嘘を言ったり、取り繕ったりするわけだけど、基本的には真実派、っていう異端者の映像です」
と、まず出版社にデモをかけた人々の映像が。シュプレヒコールをあげ、ロックアウトに抗議する姿。???と思っていると、
「これはその出版社の屋上で撮った映像です
そこで切り替わった画面が、出版社屋上で“いやー鶯谷と大塚は詐欺。やっぱり渋谷のホテトルが一番ですよ。でも金高くてね。”と風俗話する亀一郎…。
亀一郎が“即尺、即ベット、ナマでやらせてくれるソープは5万6万するからね”と語るその下でデモをやる人々がうつっている。同じ画面でエロとデモが同居している。根本先生の本を読み、或いは亀一郎について知っているならわかると思うが、例によって風俗エロ話はループしている。何分かに一度は“鶯谷と大塚は詐欺だね、駄目だよ。やっぱり渋谷のホテトルが…”となる。
これで誤解して欲しくないんだけど、別にデモ隊を茶化すとかそういうのはないわけ。

■ 「さむくないかい」のワンシーン

そして『さむくないかい』のワンシーンが上映される。
大宮イチ扮する佐吉に平やンが『さむくないかい』と話しかけるトコロだけ。
こうしてね、“さむくないかい”と言われれば、ちょっとは寒いんだよ、と言いたくなる。でもジャンパーもコートもいらないよ、俺はこれくらいがちょうどいいんだよ、っていうか。後ろめたさも抱えつつ、その後ろめたさと付き合うと腹をくくるというか、覚悟と決めると、後ろめたさにもいいものがあるんだな。そして幻聴みたいにさ、“根本先生、これも神様の演出なんですよ”って声も聞こえたりね

最後にアックスに載った『近況』というエッセイを読み上げて終了した。
(根本先生によると、このたび幻の名盤解放同盟がBOXセットをだすのだけど、それについてK西さんがまたファビョって抗議FAXや電話などをしているらしい。)

会が終わって帰ろうとすると、ミッチェルが、サインもらわなくていいの?という。実は今回是非根本先生にサイン頂きたく、著作『因果鉄道の旅』を持参したのだった。しかし非常な緊張に襲われ、ついつい、いや…でも…、と帰ろうとした。するとミッチェルは、ずかずか根本先生の所へ行ってしまった。あわててついていく。
根本先生は他の来場者と話していた。
私が本をもっているのをみると、「あ、サインしますから」とその方との会話を切り上げてくださった。申し訳ないです。
根本先生は「お名前は?あ、はいはい」とずんずん書き進めてくださる。できあがったのは、“顔が吉田佐吉の精子”と「敬」の口の部分が村田でイラストされたもの!
(←コレ)
大感激!家宝にしますです。しかも一緒にお写真まで…。(大号泣)“今まで生きてきた中で、一番幸せです”(©岩崎恭子)という瞬間だったかも。私が電氣菩薩の上巻はどうやって手に入れたらよいのでしょう?と尋ねると「amazonでこっそり定価で流通させているみたいよ」(↑なぜかamazonでカートに入れられたことがあって、2ちゃんねる根本スレにも書き込まれていたことがあったが、それを指しているのだろうか?結局入れられただけで、入手不可能とのメールがamazonからきた。根本先生は2ちゃんを見ているのだろうか…。)私がamazonでは手に入れられず、調布図書館にて入手したことを伝えると「へぇー確信犯がいるんだねえ」と感心しておられた。司書さんもいろいろと思うところがあるんだろうなあ。
(このことを某不動産系シンガーソングライターが知ったら、調布市庁へものすンごい抗議をするんだろうな…まあ現状すでにすンごい抗議はしているのだが。)

ミッチェルが『先生は先ほど“水谷さんは恥ずかしいから大音量でギターを弾く”とおっしゃってましたが、先生はなにをこう…過剰にというか、防衛するためにマンガを描いていらっしゃるんですか?』
うーん、全部だね。じゃないとこんな商売はやってないよ

その“恥ずかしいからマンガを書いたり、イイ顔のオヤジにあったり本を書いたりする”という言葉を聞き、私は太宰治を連想した。彼もまた“含羞の人”であり、恥ずかしいが故、心中未遂をし、麻薬中毒になり、家庭を破壊し、小説を書いた。根本センセイの書く文章に漂う、微かでそれでいてしっかり根を張ったリリシズム、由来は“含羞”だったのか。その「恥ずかしさ」など私ごときがわかるはずないのだが、でもセンセイの言葉は、私の最も奥深いところにズッと入り込んだ。切り込むように。


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2004年11月の映像夜間中学(前編) [映像夜間中学への旅(映像夜間中学レポ)]


本日は渋谷にあるUPLINKfactoryへ
根本敬主催による映像夜間中学に参加するために行きました。座るためには早く並んだ方がよいとアドバイス(2ちゃん根本スレ)があり、一時間半前に行ったらまだ人はあまりおらず、前から三番目でした。同行したのは例によってF。昨日読んだ「筑紫哲也妄言の研究」について話ながら根性で待つ。狭い階段の踊り場に直座りしたら、ケツが冷たくなりました。開場まで30分となった時、エレベーターから細身の男性が降りて開場へ。また出てくると一番前にいた男性となにやら話している。根本敬先生だ。もっと背が低い方だと思っていたが、170㎝ぐらいはありそうだ。細身ではあるが、骨格がしっかりしているため、華奢な印象はない。根本先生はそのままエレベーターでまたどこかへ。

開場時間19:30になり、ようやく入れるよーと思いきや、入り口でなにやらもめてる様子。キモヲタというかダウン症系、すンごい太鼓腹の男性と係の方がなにやら話してる。彼がなにかずっとなにか言っていて(残念ながら聞こえなかった)係の女性が「はぁ…はぁ…」という返答。男性は不承不承という様子でなにかを購入し、引き上げていった。10分ほど遅れて入場。中は意外と狭く、よくある自主上映映画館のようだ。定員80名とのことだが、これではかなり厳しい気がする。余裕もって座るなら50名?くらいか。真ん中あたりに座ったが、前の男性の背が高く、画面真ん中下半分が見えなくなってしまう。どうしようかと思いながら、どんどん人は入ってくるため諦めて。ミッチェルが飲み物をとってきてくれた。この日の参加料は、ワンドリンク付き1999円。異論はあるだろうが、私はかなり安いと思う。配布された映画やイベントのお知らせなどを見ながら待つこと15分。

「それでは映像夜間中学、開校致します。根本敬先生が来場されますので皆さん拍手を」

ついに始まった。

えー、映像夜間中学史上一番早いはじまりです」と根本先生は手元のメモに時折目を落としながら、語り始めた。待ちに待った瞬間だ。

今回上映されたビデオは以下の通り。
1、今月初めにインタビューした金嬉老(in釜山)
  
  ・仮出獄当時の金嬉老の様子を伝えるニュースJAPAN
  ・現在の金嬉老の談話
  ・自宅にてカレーを作る金嬉老、ご馳走になる根本先生と取材陣
  ・金嬉老が語る「MY哲学」

2、辻幸雄さんのビデオ

3、裸のラリーズのライブ映像

4、デモ隊と亀一郎

5、「さむくないかい」のビデオ(ワンシーンのみ)

■ 今月初めにインタビューした金嬉老(in釜山)

いやーしかし、金嬉老の現在の姿をここで見ようとは…。
(金嬉老の寸又峡ならびに韓国で起こした事件についてはここ(概略)ここ(詳細ならびに画像アリ)を見てくださいませ。)
金さんは私が9歳の時、寸又峡-スマタというと股間に挟んでイカせる方を連想しますが
韓国へ渡航することを条件に仮出獄させた経緯を話す木村太郎の映像。
寸又峡でこのような事件を起こしまして、子供の頃事件を見て、あーイイなァ、とずっと思ってまして。で31年獄中生活して仮出獄、韓国へ渡るわけです。囚人世話マニアの朴さんが引受人になって。朴さんはマニアだからいろんな人の相談に乗っていて、その時、女性と知り合って、すごい旦那から暴力を受けている。朴さん経由でその話を聞いた金さんはもう直球ど真ん中で三振狙いに行く人ですからね、もう早速その旦那のトコロへ行くわけです。最初は納得したけど、また暴力を振るようになる。それを聞いて手製の武器を持って相手の所へ行く。旦那がテーブルの脚を抜いてその金具で金さんのアゴを切り裂いて、こう、皮膚がべろっとはがれちゃったりして。それに応戦するため新聞紙に火をつけてやっていたら、こう…火がついちゃったわけです。」
その事件のため公州医療刑務所で2年4ヶ月過ごした。
現在は問題の奥さんと再婚し、韓国で暮らしている。
今回はブブカの取材(12/26にでるらしい)で行ったそうだ。
しかし金嬉老の口から唯物論や観念論といった言葉が出るとは思わなかった。
“よくまあまあここまで生きてきたなあと。大きな力に生かされるんだよ。それは仏様なんだな”とMY哲学を語る金嬉老。色紙には真実、と書いたそうだ。
金さんは素っ裸、フルチンで生きられる人なんですよ。真実派というか。だいたい熊本刑務所にいるときも六法全書を隅から隅まで読んで、完全に掌握してたし。自分の食事に豚足だのキムチだのをださせていて。普通食中毒の関係上刺身なんて刑務所ではださないのに、金さんが“刺身喰いたい”というと、もう囚人全員が刺身喰えた、という。金さんがいる間、大変過ごしやすい刑務所だったそうです。奥崎さんとも2年ぐらいかぶっているんですよね。

■ 辻幸雄さんのビデオ

辻幸雄さんは裏ビデオ、ブルセラ等で刑務所に4回ほど収監された裏モノを極めたような方。真実派、ということで以前ゲストに来られた際の談話“人生まったく後悔ないネ”を上映。
日景忠男さんもそうだけど、こういう人生ってまさに真実派なんだよね。モザイクなしの人生というか
<続く>


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