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あの娘がくれたブルースよ [音楽レビュー]

浅川マキ、というブルース歌手をご存じだろうか。
詳しくは公式HPを見て欲しいけれど、かいつまんでいえば、
以前にもチラッと書いた昭和の三マキ(カルメン・マキ、とあと一人
誰かご存じの方教えてください。)の一人で、
売れない歌謡歌手だったのが、寺山修司プロデュースで再デビューし、
60年代アンダーグラウンドを代表する歌手となった人である。
和田アキ子が年をとったらブルース歌いたい、などと言っているが、
彼女にはブルースを歌う上で必要不可欠なものがない。絶対的にない。
ブルースは情の音楽である。たましいではない。
個人の歴史や嘆き、それらを内包した情がわき上がるとき、
かなしみをごまかすように呟く、あるいは、生まれいづる悩み、
生きていることに対して根源的な哀感、疑問、
それでもなお生きていくことを選択せざるをえない人間が、
ふとした瞬間に入り込む空虚さ、
そこに鍾乳石ができあがるような速度で染みこむ、これこそブルースであり、
そのブルースを歌う空間を作り上げることができない歌手が
歌える種類のモノではない。
このことから、和田アキ子という歌手がいかに鈍感であるか、よくわかる。
かなしみを内側にしっとりとたたえ、
噴出する激情をどうにかこうにかコントロールし、
日々をやり過ごしながらも、思わず零れるその小さなしずくが詩となり、歌となる。

そんな歌手は少なくなった。

新宿へでかけるとき、私は必ず彼女の歌をプレイヤーで聞きながら行く。
それも夜ならば尚更。私の中で夜の新宿と浅川マキとは分かちがたい関係にある。
それはあの西口にいる「私の志集」売りに似ている。
(「“私の志集”売り」とは、JR新宿西口駅地上出口あたりで
首から「私の志集買ってください」という札を下げた、
年齢不詳の女性のことである。詳しい話はまた後日。)
そこには必ずソレ(例えば捨て雑誌を集めて売るホームレスや
私の志集売りや金髪のキャッチセールス男など)がなくてはならない、
という意味合いと同じ意味で、浅川マキは
新宿において聞かれるべきなのである。
ポール・マッカートニーのコンサートで
「ヘイジュード」を観客全員で大合唱するのとは対極に位置するが如く。

声自体にスポットライトがあたり、闇の中から立ち上がり浮かび上がる、
そういう歌い手はもう少なくなってしまった。
屹立した“たましい”が縹渺とする様を、するどくえぐられる痛みとともに、聞く側は見つめる。
それこそがブルースであり、和田アキ子が歌いたいという様式美ではないのだ。

私は彼女の歌う「雪が降る」がとても好きだ。
彼女の訳はその歌の本質をとらえていて、
歌のもつ時代、国籍、作者の感情、制作意図、
それらを超えた普遍性、密度、深度、などを聞く側に
なんともあっさり教えてくれる。
例えばこんな感じに。

“雪が降る

アナタ 来ない

Tombe La Neige

アナタが 来ない

Tombe La Neige

心は暗い

絶え間なく降り続ける 綿のような白い涙

アナタは 来ない

容赦もなく降り注ぐ 黒い絶望

忌まわしい闇と氷 物音もない白い孤独

ら、らら、らら、らら
ら、らら、ら、らら

ん、んん、ん、んん”


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私は風(マキOZってわかる人いるのだろうか) [音楽レビュー]

ぼりまくっていたトレーニングようやくはじめました。
とりあえず、まだ身体動きません。
自分のしでかしたことです。まったく不甲斐なくて氏んでお詫びを…と言いたいところですが、
まあそれもあれなんで、とあくせく無理矢理身体を動かすリハビリにつぐリハビリっす。
裏返る日もそう遠くないことでしょう。(刃牙ネタですみません。このマンガは超面白いので是非見てくださいませ。)

MP3プレイヤー買いました。正確に言えば買ってもらいました、ですね。
とりあえずなんか集中するモノを与えておけば、余計なこと考えずトレーニングに励んで、元の身体に戻るだろうという、彼氏のご配慮の通り、ずーっっと格闘しっぱなしです。別な意味で。
購入したものは、クリエイティブNOMAD MuVo2
4GBで、カラーは二色。グレーとブラックです。地味ッつーかなんつーか。
5GBになるとカラーが5色になります。色のために買うのはなあ、とグレーを選択。
(後で知ったら、その時に購入した金額と同額で、ノイズキャンセラヘッドフォンがついてくる、
アマゾン特別パックがッッッッッ。(# ゚Д゚) ムッキーとなった私は早速、クリエイティブに、
ノイズキャンセラヘッドフォンを売りやがれ!!電話をかけたのですが、辛くも敗退しました。)
付属のマニュアルなんてぺらの3Pぐらいのもんです。後はCD-ROMに入っている説明書をみるか、クリエィティブのサイトから説明書をPDFでダウンロードするかってとこです。
この姿勢、本当に不親切というか…。「PDFダウンロードできないヤツが買うなよ」ってことなんでしょうか。これはこういう製品の非公式情報掲示板を見ていても思うんですが、このテのPC系オーディオとかアクセサリーを買う人にとって、フリーソフトを探すことやダウンロードすることは当たり前っていう感じで、そういうのわかんないヤツは手を出すなってニオイがするんですな。まあ中にはおいおいそれぐらいは…って、PC無知の私ですら思う質問もありますけど。
めんどいので、フリーソフトなど使わずに、CDのソフトをダウンして、とりあえず手探りで使ってみて、ダメなら公式サイトのFAQを見る、という姿勢で使ってみました。
表示の基本が英語なので、それを日本語へ変換する方法も、悪戦苦闘しわからず、公式サイトみてわかる、という具合にだめだめなわけですが、それでもなんとか入れたい曲(600曲ぐらい?)を転送し、やれやれと聞いてみました。
うひょー、曲順がばらんばらん……。
公式サイトを見ても「アルファベット・番号順になります。若い方が先に再生されます。」とあり、どうにもならない。スライ&ファミリーストーンの後にオザケンが来たりして、もう死ぬかと。

はい。600曲に対して001,002…とひとつひとつ丁寧に番号をつけていきました…。

夜20時頃からはじめ、気がついたら朝7時でした。

やり場のない怒りと徒労感…イヤホンは痛いし…。泣かずにいられない。

文句言いながら、曲聞いて眠ったわけですが、音質は、価格.comで言われていた通り、
ホントいいです。通常と全然変わらない。(少なくとも私の耳では)
「私は風」のイントロを聞いていたところまで覚えていて。起きたら次の日の午前0時でした…。


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