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「東京デッドクルージング」読んでるけど面白いよ [書を捨てよ、街へ出よう(読書感想)]

「東京デッドクルージング」を読んでいる。これが非常に面白くてモリモリとページを繰りまくりなのでした。うざくて暑苦しいときは高カロリーかつ暑苦しい物語を読むのがよろしい。

もともと村上龍からはじまってお決まりの馳→萬月コースをたどっていた私ですが最近は社会思想やら英・南米文学やらのほうを重点的に読みこなしておりこのジャンルはすっかりご無沙汰だったので、もう久しぶりにキメたぐらいの吸い込みようですわ。はまるはまる。

2015年、日本はお笑いタレント出身の総理大臣の元、スラム化の一途をたどっているという舞台設定でして、CIAの請負仕事をやっている日本人右翼民兵と彼らに家族を殺された凄腕北朝鮮工作員と彼らに要人を奪われた中国人諜報組織の三つ巴の戦いを描いています。裏切りと謀略と血と脳漿と弾とアドレナリンがあふれかえる小説はたまりませんね。で、またスラム化したニッポンがニッポソではないリアリティ満載なんですわ。例えばラジオではDJが「アジアアフリカ諸国のみなさま!かつて先進国と呼ばれた日本に愛の手を」って叫ぶんですよ。しかしこのディストピアも目の前に広がる世界を単におしすすめただけとも思えるからよけいに背筋が冷える。

設定なんかが「狂い咲きサンダーロード」みたいだなあと思っていたら深町センセのブログ記事にはそのエッセンスを織り込んだというようなことが書かれていたので的外れじゃなかったと一安心。

それにしても結局のところ村上龍はあの思想性(田舎モノ特有とかたしか福田和也が書いていたような)がよくもわるくも限界なんだなあと思ったり思わなかったり。


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