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惑い [マボロシの男たち(エロ風味)]

子供産んだら相手も変わるよ、とそいつはいった。
案外いいパパになるかもよ、と続けて微笑む。そう、とわたしは短く答えた。それが私にとってどれほど残酷な言葉か、彼は知らないのだろう。知っているのならまだ救いがあるけれど。
久しぶりに足をひらく。それでもきちんと体は動いてくれる。思惑とは別に。口の中に舌がめり込んでくる。ねじ込まれた舌が別種のイキモノとして動く。それは淫靡さではないある種の運動性を感じさせる。その開放的な動きに身を任せながら私は目を閉じる。まぶたの内側にはひっそりとした闇が広がっていた。

そのまま闇の中へまっすぐに落ちていけば、私はなにも感じなくて済むだろう。きっと。


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