MADONNA考 [音楽レビュー]
- アーティスト: マドンナ, ウイリアム・オービット, ロッド・マッケン, デビッド・コリンズ, クライブ・マルドゥーン, デイブ・カーティス, クリスティン・リーチ, スザンナ・メルボワン, パトリック・レナード
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 1998/02/22
- メディア: CD
わたしもだいたい秋になると鬱傾向が強まる。唐突にどこかへ行ったりして解消をするけれども、現在最も有効な手段はMADONNAだ。こういう状態になるまであんまり聞かなかったりするんだけれども。なんだか申し訳ないと思いつつその音楽に身をゆだねる。
この「レイ・オブ・ライト」(1998)のアルバムは彼女が脱セックスシンボルを果たすことができた記念碑的作品といわれている。曲調は相変わらず非の打ち所のないポップでありつつも、さらに突き抜けており、実に開放感あふれる作りになっている。涼しいけれども寒くはない、5月の陽気のようだ。
特にこの表題作にもなっている「レイ・オブ・ライト」は素晴らしい。全体的に「水」を感じさせるこのアルバムの中でも、この曲は湖面を吹き抜ける風のような明るくてさわやかな印象である。MADONNAはまるで約束の地へわたしたちを導こうとしているようだ。それはあのドラクロワの絵のように勝利へ導くといったたぐいの強制的なものではなく、ここよりももう少しよいあそこへ行ってみましょうよ、と誘い笑いかけているようだ。そうして笑いかけたまま彼女は光よりもはやく過ぎ去ってしまう。わたしはここにいるが心細くはない。きっといけるだろうと。そういうポジティブさをこの曲は強く印象づける。彼女の「この先へ行こうとする」意識。それは性別を超えて真の自分らしさとはなんなんだという禅問答にも似た場所なんだけれども。でもそれは自分を見つめなければできないことだ。MADONNAのまっすぐ見つめる視線を感じる。
昔、わたしの好きな作家は「どれくらいの速さで生きるのか?」と喉元に刃を突きつけたまま、自死ししてしまった。その問い詰め方に比べMADONNAのなんと自在なことだろうか。ストイックなまでに自身を見つめ、律し、鍛え、王座に君臨し続けつつ家庭人として子供を育て夫を愛する。そういえば日本のアイドル歌手が彼女の真似ともいえるようなスタイルを一時期とったことがあるが、彼女の娘と現在冷戦状態にあるようなところをみると、どうも成功しているとは言い難いようだ。まあMADONNAの子供はまだ幼いからこれから問題が出てくるかもしれないが、それでもなんとなくMADONNAなら大丈夫じゃないか、という気がしてくる。いまはカバラを信じてゴシップネタになってしまったりするけれども、だからこそMADONNAは偉大なのだなと思う。
そういえばトレーニングを始めたきっかけは、「T2」のリンダ・ハミルトンとMADONNAだった。彼女の太いが引き締まった二の腕をみるにつけ、こういうカタチもありなんだなと思う。自分を解放するにはいろんな手段があって、それは個々人で決めるもんだ、と感じる。迷ったら彼女をみればいい。彼女はいつでも自在に揺るぎない。
新作も楽しみです。
マドンナってオイラが中学の時にデビュー&ブレイクしたんですよね。
その歳故に、セックスシンボル、と言う感じでもなかったし、
いやらしい、と言う感覚からはかけ離れてたような気もします。
(挑戦的、、な感じは、エロに繋がらなかったので)
どっしりしたイメージを持つアーチストになりましたね〜
「スーザンを探して」はわらいましたが。
by アキオ (2005-11-09 22:09)
マダーナの"Ray of Light"といえばPVがヤバかったっすね。
名曲ですがそれ以上に名PV。今見てもキモチイイです。
by ryuzo (2005-11-10 00:59)
MADONNAはいつも新生・・・。
いいですね♪
by aroma (2005-11-10 08:01)
女性と筋肉。意見は別れる所かもしれませんが、私は最上位ランクです。ダンサーを最近ビデオで撮ってますが、これ以上は無いんじゃないかと思いますね。
マドンナ聞いてみようかな?
by おっと (2005-11-10 16:51)
毎度おおきに。
わたくし結構なファンでした(つっても相当以前ですが)。
だってノリが素晴らしいんですもの。
by へー八郎 (2005-11-11 01:20)
「イン・ベッド・ウィズ・マドンナ」のビデオを観て、
生まれて初めてのダンベルを購入したクチです。
by neroli (2005-11-21 03:27)