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自殺サイト殺人事件とキラーフィクションの類似性 [予告された殺人の記録(殺人関連)]

連続殺人容疑者、手口似た小説ネットに  

インターネットの自殺サイトを利用した連続殺人事件で、逮捕された男が、事件前にホームページに書いていた小説をJNNが入手しました。女性を窒息死させるというこの小説、実際の犯行に極めて似ていました。  今年2月から6月にかけてインターネットの自殺サイトで男女3人を次々と誘い出し、殺害を自供した前上博容疑者(36)。  
前上容疑者がつくったと見られるホームページのタイトル、「ASPHYXIATION(アスフィクシエイション)」は、英語で「窒息」を意味します。この中には女性を次々と襲い、鼻と口を手でふさいで殺害するという小説が10ページあまりにわたって書かれています。  
被害者をすぐに殺さず、執ように窒息の苦しみを味わわせるというストーリーは、前上容疑者が最初に女性を殺害したときの手口と全く同じです。  ところで、前上容疑者は中学時代に江戸川乱歩の小説で人が口をふさがれて苦しんでいる挿絵を見て興奮を覚えたとも話しています。こうした小説をきっかけに、前上容疑者は自分の妄想を広げ、自分でも小説を書くようになったのか。警察は犯行の動機を調べるための貴重な証拠として分析を急いでいます。
                          (11日18:00)TBSニュースより 


日本もヨウヤクアメリカと肩を並べてきたということですかね。殺人で、ってことだけど。このニュースを見てとっさに連想したのがジェラルド・シェイファーというアメリカの殺人鬼について。シェイファーは同じように窒息に固執し、連続殺人を犯し、また同じように自分の“ファンタジー”を小説にしていた。なんとなく前上容疑者と顔立ちも似ているような気がするのは私だけだろうか。

Killer Fiction(G.J.シェイファーの画像。なんとなく似ている?)

Killer Fiction

  • 作者: G. J. Schaefer, Sondra London
  • 出版社/メーカー: Feral House
  • 発売日: 1997/06/01
  • メディア: ペーパーバック
(←そしてそのファンタジーの結晶である「キラー・フィクション」の原書版)
ジェラルド・シェイファーについて別冊宝島368「身の毛もよだつ殺人読本」では次のように述べている。
身の毛もよだつ殺人読本―血と精液にまみれた殺人鬼たち

身の毛もよだつ殺人読本―血と精液にまみれた殺人鬼たち

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 1998/03
  • メディア: 単行本
“1973年、フロリダ在住の警官シェイファーは二人の少女の誘拐・暴行容疑で逮捕された。そこでおとなしくしていればいいものを、15000$の保釈金を積んで釈放されてしまったもんで調子に乗ったらしい。保釈中にまたも少女を誘拐し、殺害してしまうのだ。しかし、今回は少女の母親が車のナンバープレートを控えていた。裁判では彼がタンスにしまっていた殺人幻想小説が証拠としてとりあげられ、終身刑二度の判決に大きく寄与した。その点だけ取り上げると思想弾圧のように聞こえるが、実はたいした問題ではない。遺留品などからシェイファーの犠牲者は二人どころか20人以上になることはすでにはっきりしていたのだ。実際、彼の「小説」のうちいくつかは現実に対応する事件をもつことがその後の調査で明らかになってくる…”
(シェイファーについて詳しく知りたい方はコチラ。リンク先は英語サイトなので注意)
前掲書にはこのシェイファーの書いた殺人小説が特殊翻訳家柳下毅一郎氏によって訳されているので興味のあるムキは一読されてはどうだろうか。シェイファーの書いた小説には、こういう快楽殺人犯独特の女性を二分割する思想(聖女と売女しかいないとする)が濃厚に漂い、窒息という行為がどれだけ楽しくて素晴らしいかという教唆に満ちている。紹介されているのは僅か二編だが、シェイファーは『淫楽殺人』という究極の性行為に取り憑かれていたことがはっきりとわかる。淫楽殺人とは、相手が断末魔の苦しみもがく姿などでないと射精できない、それによって起こる殺人をさす。(早く射精すれば被害者は重傷ですむし、もしそうでないなら…)その時の絶頂感は通常の性的絶頂感とは比べものにならない、とされる。例えば一切自分の性器に接触せず・させずに勃起し、射精することが可能であるといわれる。そしてその強烈な性衝動はコントロールできないという。
今回の事件でももし容疑者が不能に近かったりすると、淫楽殺人の傾向がかなり強まる。そのような視点に立てば、容疑者の手口-すぐに殺さず何度も苦しみを味わわせるというのも理解できてくる。彼にとっては単に快楽をのばす作業なのだろうから。自らの性欲、性衝動を解消するにはこの方法しかなかったのではないか。わかっていてもまた罪を犯すという“システム”はこの人間の暗い淵、深淵から見つめられた者のこの不可解な性欲に由来するのであろう。供述にある「性欲がおさえられなかった」という言葉はアメリカの淫楽殺人犯ウィリアム・ハイレンズが犯行現場に書き残した言葉「頼むからボクをつかまえてくれ。これ以上殺す前に。自分ではどうすることもできない」を連想させる。この容疑者についてざっと考えるに、幼少期に貧困か虐待かいじめかで常にストレスと欲求不満を抱えざるを得ない状態におり、ちょっとしたきっかけで窒息という行為を知り、異常な執着心を抱きそれに固着し、やがてフェティシズムへと変化し、そして淫楽殺人にまで辿り着いてしまったのではないか。
このシェイファーのケースでなんとも不気味なのは、キラー・フィクションの共同執筆者の存在。前掲書から引用すれば“このソンドラ・ロンドンとはカレッジ時代の同級生である。シェイファーはソンドラの最初のボーイフレンドだった。ジャーナリストとなったソンドラと運命の再会をはたして…とか美しい話が序文に書いてあるが、実際にはどうだろうか。(中略)テッド・バンディ(筆者註:IQ160を誇ったアメリカの有名な連続殺人犯)なんかにせっせとラブレターを送ってようやく会えた!と喜々として書いているところを読む限り、どうも監獄グルーピーの姉ちゃんにしか見えない。”とのこと。アメリカにはこの手の犯罪者グルーピーというか、有名な殺人犯から手紙もらったり面会することに心血を注いだりする人びとが確かにいる。
さて、今回の事件、さすがに前上容疑者の小説はこういう“良き理解者”が現れて、ジェラルド・シェイファーのように出版されることなどないように思うが、はたして…。

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コメント 3

サカキバラもカエルさん殺して射精したらしいし
猫殺して射精してたらしいですね。
だから殺して快感得てたとか。
あーやだやだ。
by (2005-08-14 11:58) 

瑠璃子

>コジマ氏
いやだねえ。結局最初は小動物から…ってケースが多いみたいなので、この犯人の生育歴気になりますな。性的倒錯ってSMなんかよりもこういう方に宛はまる気が…。まあセックスで首締めてくれって趣味の方も多いらしいですけど…。
by 瑠璃子 (2005-08-14 23:00) 

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