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花びらの孤独(声だす私、ださないアナタ) [みちゃイヤン☆(エロ濃厚)]

黙ってするセックスは割りと困ってしまう。

黙々と行う共同作業なら部屋の壁紙貼りじゃないんだし、濃く行うにも限界というものがある。理想的な性環境としては(そんな言葉があるのかないのかしらんが)BGMなら裸のラリーズ「夜、暗殺者の夜」響くように静かに流しながら、とても普通の会話をして。今日の昼ごはん何を食べたか、あるいは、スタバかドトールの店員の笑顔の差異について話し合いながら。二人服を脱ぎ、愛撫し、舐めあいながら、少しずつ作業を詰めていく。やがて会話は互いの舌を出し入れする動作に代わり、男の唾液の甘さを感じながら、中心に受け入れる行為になる。それでも可能なら、さらに話をしていたい。直截なコトバよりも、庭に薔薇が咲いた程度の親密さで。

彼としていて気持ちがいいのは、そのあたりの感覚が同期できるからなのかもしれない。

後ろから入れて、と私は彼にお願いをした。

彼はきっと私の尻を注視しているだろう。そうふと思うと、肌に朱が走るような羞恥を急に覚えた。そこを彼が撫でる。産毛をそっと撫で上げるような繊細さで。この人の指先には目があって、私がどこを恥ずかしがっているのかを敏感に見て取るのだろう。いたたまれないぐらい、自分の中から噴出すのがわかる。指先の蠢きがとまる。太ももから膝裏まで冷たい感じ。ふくらはぎあたりにしみができていなきゃいいけど。ほしいの、というと、なにが?といささか古典的過ぎるくらいに。アレがほしい、と小さく囁くと、耳を舐めながら、聞こえないよ、と惚れ惚れするほど。尻に当てられたその熱さをしみじみおもいつつ、それ、それがほしいの、と搾り出した。コレ?と手で導かれる。硬く熱くそして先がもう濡れぼそっている。ぬるぬるしたのを逆手でしごきながら、自分で入れようとした。引き抜かれる。
自分で入れようとするなんて、ホントに好きだなあと朗らかに笑う。耳が赤くなった気がする。その耳を指先で撫でられると、まったく関係のないところがまた迸る。ああこの人の指は本当に才能がある。乳首をひねられながら、ゆっくりと入れてきた。奥まで収まるのを感じて、私は少し震えた。あそこをエグラレテまた小さくぶるぶると震える。出し入れが始まる。
「今日どんなことしてたの?」と彼が聞く。話す余裕はあまりないけれど「今日は…おかあさんが」深く突き入れてくる。「ご飯はどうするかって…」浅く抜かれる。あ…と声が漏れてしまった。「それで?」呼吸に変化なく彼が尋ねる。「それでえっと…」再びグッとくる感じで。だめ…「続けて」圧倒的な充実感。「そのあと…なにを作るかって…話して…」ゆっくり抜く。やめて…「ちゃんと話をして」彼のやわらかい目。「そのあとは…」もうだめ許してお願い「仕方ないな」深々と受け入れ子宮で包み込む感じ。うっとりするぐらい甘い空気。ああだめだ、もうだすよ。脈打ちが何度か。べたべたとする皮膚、腰がしびれたように重くなるのがわかる。とても充足した感じ。

回数が増すごとにより同期されていく。気がする。けれど。

身体を使って行うコミュニケーションとは山田詠美の言葉だったか。確かに、と私は思う。彼の気持ちの変化を知るにはいちばんいい方法だと。いつか終わってしまうのかもしれないけれど、いま感じているこの充足感は間違いのないものだ。私に体重を預けている、彼の頭を撫でる。目を閉じて安穏の中へ降下しているのか、見開いてありうべき点でもみつめているのか。私は、短い補填のあとの孤独を思い、窓の外を眺めた。降る雨を見つめた。


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コメント 6

きりきりととと

「短い補填のあとの孤独」というのは素晴らしい表現ですね、切ったら血が出るというか。一体いつこういう描写をしているんだろうか。まさか最中w
by きりきりととと (2005-05-23 17:58) 

瑠璃子

うわ、嬉しいっすねそれ。なんかちょっと谷間の彼岸花状態になっていて、文章がナカナカ普段みたいに書けないとです。だからそういってもらえるとホント嬉しい。感謝多謝。
>まさか最中w
半分正解w つか終わった後に考えることが多いかもw
by 瑠璃子 (2005-05-23 19:40) 

きりきりととと

あっー、だよね。熱くクールというか、離見の見というか、女の人は最中に色々考えてますねw
これね、「ノルウェーの森」で直子とやっているときの描写の次にたちました。
こういうテーマでTBを考えているんですが、自分の描写が陳腐で朝読むと笑っちゃう。
なんか、ディテールにこだわるとハードボイルド描写になってしまって。
by きりきりととと (2005-05-23 20:26) 

瑠璃子

いろいろと考えるのよ。しながら、ああ明日のご飯はナニ作ろうとか。そういう思考がじょじょにとれなくなってくる、そこがまたいいんだなあ。たまには最初から最後まで考えっぱなしっていうのもあるけどw
こういう描写で勃起してくれるのって嬉しいなあ。うん。ありがたいっす。
>なんか、ディテールにこだわるとハードボイルド描写になってしまって。
なぜか矢作俊彦を連想しちゃいました。北方謙三ではなくw
by 瑠璃子 (2005-05-23 20:42) 

きりきりととと

怒られちゃうけど、自分が描写すると大藪春彦みたいに..........  諸行無常です。
by きりきりととと (2005-05-24 02:16) 

瑠璃子

あら、そりゃ素敵じゃないすかw
そういえば大藪最大の問題作「飢狼の弾痕」は私の愛読書ですたいw
by 瑠璃子 (2005-05-24 13:21) 

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