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彼はそれを私の口へ。 [みちゃイヤン☆(エロ濃厚)]

真夏。

皮膚の上に汗がもう一枚皮膜を作っているような暑さの中、互いの肌をこすりつけるようにしてする性行為は格別なものがある。クーラーなんて文明の利器は放置して、二人の身体から発する熱気と湿気で密度をいや増した状態でひたすら貪るのもいいし、少し窓を開けて細く声をあげ濃密な緊張感の中ひたすら行為に没頭するのもいい。
だが私は夏になると、そうした行為とは無縁だった出来事を思い出す。それでも間違いなく私が経験した中でもとびきりセクシャルな思い出なのだ。

高校生の時だ。

二度目の高校は大変居心地が良く、同性異性を含め何人か気持ちよくつきあえる友人ができた。初めて迎える夏、その中の一人の別荘が千葉にあるというので皆で出かけることにした。人数が多ければ多い程いいということで友達の友達にも声を掛け合ったりして。結局男女比テキトウな総勢15人ほど。千葉の九十九里まででかけた。一泊二日があれ程魅力的に思えたこともそうはないだろう。
食料持参で朝早く駅に集まり、なんだかんだと話をしながら車中を過ごし(確かフェミニズムと性暴力について話していたような気がする。あと落合信彦とか。考えてみれば嫌なガキだな)後は歩いて別荘についた。正直、15人でこの広さでは廊下に寝るヤツもでるな、と覚悟したほど。どっちにしろ騒げればいいので周りにあまり家のないこのロケーションは絶好だった。

さっそく着替え海に行き、男子の視線をちらちらと気にしつつ水着姿を見せ合ったりして。彼女の胸は大きいなとか色の白さはやはり無敵だなとか。男の子達は泳ぐよりも砂でなにかを作ったりそういう方に熱心だった。私たちは波打ち際でぱしゃぱしゃとやるか日焼けをするか。男の子たちはとても眩しくて私は直視できなかった。それでもふと横目でみた、なめらかにひかる筋肉が強く食い込んできた。

夕飯が女子で明くる日の朝食が男子担当だった。おにぎり握ってサラダを作って肉を焼き。お酒もいつの間にかでてきてて。床下で廻るファンのおかげで風が気持ちよく吹き抜ける。暑いけれど、暑ければ暑い程いいといえるぐらいの元気の良さは充分にあった。話して呑んで喋って食べて。私たちには語ることが山のようにあり時間が追いついてこないのがひたすら不思議で。高回転する会話が少しずつとぎれ、簡単に片づけをした後はその辺でごろ寝をすることになった。それは夏の特権だ。

場所が変わるとナカナカ寝付けない体質の私は、足や手をよけながら寝返りをうっていた。寝返りを打つ回数を数えても眠気はやってきてくれない。苦労しつつ。ふと目を開けると、私の、ちょうど目の前の人が私をジッと見つめているのに気がついた。我々は向かい合わせで。闇に目が慣れてくるとそれがなめらかな筋肉をしたあの子だとわかってきた。私はここに来るまで彼とこんなに近い距離で接したことはなかった。名前を知っている程度だった。それでも彼は私を見ている。微かに底光りする視線。まさに全身を貫かれて。緊張感がようやく馴染んだ頃、彼が私の唇に指を伸ばしてきた。そのまま輪郭をなぞると、指を私の口の中に差し入れてきた。まだそこで微笑むほど男を知ってるわけではなかったが。私はアレをしゃぶるみたいにその指を舐めた。彼は指をゆっくりと出し入れする。まるで口まんこするときみたいに。唇の端から唾液が零れる。それは子宮につながって。

抱き寄せるでもなく、距離を保ったまま彼は指を引き抜き、私のTシャツを少しまくって下着の間から指を這わせ乳首にふれてきた。こりこりと弄ばれ、つまんで軽く。眉根に皺が寄る。彼はそういう姿を見下ろすように眺めていた。私は手を伸ばし、彼の股間に触れる。短パンの下は想像以上に硬くて。とても。
その感触に呼び戻された私は怖くなり手を引っ込めた。引いた手は掴まれて押し当てられる。布地の上からでも確かにわかるこの感じ。熱く硬く脈打っている。ああ…と私が目を伏せると彼の唇が初めて私のそれを捉えた。音を立てないよう注意を払いながらそばにきて、私を胸の中におさめる。鼓動と脈拍と。こんな風に欲しがられて私。あしのあいだに一瞬強くソレを押し当てると、彼はまた元の体勢に戻った。ファンが回転する音の他はごくごく規則的な寝息。それが音のすべてだった。音をこれ以上増やさないようにして短パンのジッパーを下げる。握りきれないのをそっと取り出して。彼は同じように私のショートパンツを少し下げると粘液があふれているそこへ、指を滑り込ませた。突起がこすれて私は微かに身をよじった。でも彼を見つめて。ただ、それだけで。私の中へ侵入する指。
彼のは先がもうぬるぬるしている。中を掻き回される。ぎこちなく。振り払うように私は手を動かした。カリをしごく。私も彼も同じような顔をしている。
室内に青い光が少しずつ満ちてくる。青い空気とともに密やかに。彼が静かに首を振る。手の動きを止める。彼の粘液をすくって私は彼の目を見ながらその指を口に入れた。少し塩辛い。彼の味だ。私の中からゆっくりと指を引き抜いて。目線の高さにもってくる。ねばついて薄く光り滴り落ちそうな。彼の向こう側で誰かが寝返りを打つ。その無造作な音に導かれるようにして、再びわたしのなかへ。彼はそれを口に入れた。生ぬるい体液を私は舐め啜った。私の味と彼の味が口腔内で溶けて混ざって集約されて。彼は股間を押さえて私の耳元へ口を寄せて。「これ以上するならトイレか外に出なきゃ」低い声が耳朶へ吹き込まれる。私たちはしばらくの間抱き合い、そして眠った。元の位置に戻って。

朝、皆眠りが浅かったのか、昨日の夜とは違ってローギアに目覚めた。それでも男子はしばらくすると勢いを取り戻して「男の料理だ」と気炎を上げる。テレビで覚えた、と何故かチャーハンを作っていた。それと冷やしておいた西瓜。
その珍妙な取り合わせを黙々と食べながら私はふと彼を見た。起きてからは極力接しないようにしていたけれど。彼も私を見ていた。私は西瓜を食べるフリをして、あの指を口に含んだ。彼は少し笑うと何気ない仕草で私の中に入れた指を舐めた。

蝉が鳴いていた。いつ果てるともしれない程に。


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コメント 11

phantom

彼は良く我慢できた。天晴れ!!

ん!!
>しばらく抱き合い
どっちだ?
by phantom (2005-08-18 20:25) 

瑠璃子

>おぢ
その後、彼とはなんとなく縁がなく。よい思い出。
抱き合いっていうのは文字通り。ナベジュン的な表現じゃありませんよw
by 瑠璃子 (2005-08-18 20:39) 

ago-waki

エロエロですねぇ。いろんな意味で・・・(笑)
わたしの自作短編小説「奥さんシリーズ」よりもエロいですよー。
読んでいて興奮してしまいました。(^-^;
しかし・・・彼は、よくティンコを挿入して射精せずに我慢できましねぇ。もうギンギンに暴れん棒になっちゃって、眠れないと思うんですけど・・・(笑)
by ago-waki (2005-08-18 21:35) 

瑠璃子

>しゃくれアゴ氏
あら褒めて頂いてありがとう。なるべく勃起いただけるよう頑張りますわ☆
「奥さんシリーズ」って…読んでみたひ。ブログにうpされてますか?
でもねえ頑張っておさえるしかないのです。抜けないし…人がいっぱいいて…。アレは悪いコトしたなあってちょっと反省しましたあとでw
by 瑠璃子 (2005-08-18 22:41) 

souza

それ何て名前の寸止め漫画?
by souza (2005-08-18 22:42) 

ago-waki

またまたお邪魔しま~す。
「奥様シリーズ」はブログにUPしてますよ~。カテゴリで「自作短編小説」というふうにしているので、見つけやすいとは思います。
是非、お読みくださ~い。

しかし・・・こんなシチュエーション、憧れますよね~。みんなで雑魚寝してて、そこで・・・。うおぉおぉ~~考えただけでも、興奮するよ~。
だって、周りには友達とかがいるんだよ~。

>抜けないし…人がいっぱいいて…。
そうですよね~。場所を変えて、再度燃えるように求め合う・・・。それしかないっ!って感じですよね。
彼はよく耐えた! 男だ! いや、男なら、別な場所へ瑠璃子さんを誘い出して、最後まで・・・ムードンコを所持していなかったのかなぁ・・・?(笑)
by ago-waki (2005-08-18 22:48) 

瑠璃子

>弟
指輪をはめたい RCサクセション(雨上がりの夜空に、もそんな感じかねえ)

>しゃくれアゴ氏
あ、なるへそ。ちょっくら読ませて頂きます。私なんてもとはエロ文書くためにこのブログを開設したようなもので。夏バテでもう全然性欲が墜ちまして最近は政治ネタに走っていた次第でございます。
まあ別の場所ったって一泊二日じゃじゃーねーって駅で別れて終わりでした。こっちから連絡とろうとも思わなかったな。向こうも起きて妙に気恥ずかしかったと思うし…。今度は寸止めじゃなくていいセックスしたいっすねえw。
by 瑠璃子 (2005-08-18 22:59) 

NAJI

こんばんはー。NAJIっす。
いつも思うんだけど、瑠璃子さんの書くこれ系のブログはホントに表現力ありますよね。
読んでて景色が見えると言うか、、。←必死に妄想している効果もあるw
とにかく、伝達力のある文章だと、つくづく感動しています。
昔っから大好きな山田詠美の小説にも決して引けを取らないすばらしい文章だと思います!
以上。
汗かきながら読んでるNAJIでした。
by NAJI (2005-08-18 22:59) 

瑠璃子

>NAJI氏
よー。なんだかそんなに褒められると神田川で頭冷やしたくなりますw
過分なお言葉誠に感謝。なにもあげられなくてごめんよハニー。
山田詠美先生、私も大好きっす。最近小説読んでないからまた少しずつ読んでいきます。ああ夏は終わるのに。汗だけかいた夏でしたw
by 瑠璃子 (2005-08-18 23:17) 

たー助

数ある記事の中から・・・・これを選んでしまいました。
ほ、ほかもちゃんと読んだよ。。。カレーのとかホリえもんとか。。。
by たー助 (2005-08-21 12:06) 

初めて女性のSEXに対する描写を読んだ
男のそれよりも数倍いい出来のそれは きっと女性は脳で男性は眼で
するものだと思えた、アナタがきっと欲望に正直だからここまで読ませるのだなと感じた。
by (2005-08-23 14:30) 

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