SSブログ

エロ将軍と二十一人の愛妾+聖獣学園の簡易感想 [映画レビュー※ネタバレ注意]

あんまり映画みてないなとふと気づく。いやスッコリばかりしていたせいじゃないのだが。筋トレーニングか映画鑑賞かの不毛な二択はどうかと思う。そんな俺ちゃんも今年3ン歳です。そんなことはどうでもいいんですが、シネマヴェーラ渋谷にて開催中の鈴木則文監督祭りに行ってきましたやってきましたすっこりと。(ちなみにこの日は快楽亭ブラックさんもきてました)

■エロ将軍と二十一人の愛妾
相変わらずの鈴木則文です。しかしこのテンポとそれを殺さない編集のうまさは近年の日本映画(特に大作映画)が綺麗に失ったものですな。作家主義の台頭は、才能のない人間にとってはいかに無駄だったかがよくわかります。無能なんだから編集は編集担当にまかせておけよ、とキャシャーンとかアカカゲといった他分野映像作家にいいたい。

登場人物が毛沢山語録だのを取り出すといったところに70年代の空気を感じますな。アナーキーな終わり方だし。最近の反体制と銘打つ映画よりもよほど革命的なのがいいっすね。岡八郎という喜劇人は以前NHKの「人間ドキュメント」で壮絶な舞台復帰への様子を放映していて、その演技等を見ないうちからいわばバックステージを覗いてしまったようなものでいささか変な形で知ってしまったわけだが、今回、このような鈴木則文の艶笑系喜劇映画に常連のように顔を出しているのをみると、根っから明るい陽性のおかしみが気に入られていたのだろうと推測された。チンマンコウとかいう宦官役も可愛げ満点で演じている。名和広といった役者も、彼の手にかかると可愛らしく見えるから、これはもう監督の力量なのだろう。鈴木監督の現場は和気藹々としていたらしいが、容易に想像がつく。

もうひとつ、この監督の特徴として、「チンマンコウ」に代表される底抜けに馬鹿げたネタを扱いながらそれだけにとどまらず、ふと生真面目な顔を覗かせるストーリー展開が挙げられるが、この映画でも、物語が進むにしたがってシリアスになっていく。時の将軍に瓜二つの風呂屋の三助が替え玉となり、最初は女呼んで揉んで抱いていい気持ちっぷりに酔いしれまくりの汁だしまくりなのだが、かつてのいいなづけである幼馴染を呼び寄せたらいびられて自殺してしまったことを契機にだんだんと将軍としての自分と以前の卑しい身分としての自分との折り合いがつかなくなり、ついに発狂し、伝馬町の囚人を江戸城に招きいれ、大奥の女を好き放題に抱けーと命じ、「女を抱くのに身分の上下はないんだ!」と喝破するシーンなんかに象徴されている。まあでも結局は腹上死しちゃうわけですけど。最後はちゃんとオチがついてるのもまた鈴木監督ならでは。使い回しと一目で分かる行列シーン(その前に見た徳川セックス禁止令でも同じフィルムが使われていた)とか、イイ味だしまくりでした。ヨは満足ぢゃ。

■聖獣学園
多岐川裕美のマボロシのデビュー作(黒歴史ともいう)。こう毎度毎度渡辺文雄を見ていると、文雄見に行ってんだか、名和広見に行ってるんだかわからなくなりますな。個人的には毎回三原葉子がオナる(with多彩なズリネタ…張り型、バター犬、洋ピン等)のを見続けて幾星霜という気もしますがまあいいや。ストーリーは多岐川裕美が死んだお母さんの謎を探求するため男子禁制の女の園修道院に潜入し、母を殺した人々に復讐するというもの。多岐川裕美のお人形さん的美貌(とちょっとタレ気味のパイオツ)が見所。ストーリーはケレンミの連続というかそればっかりというかなんつーか、まあプルコギを食べた後にフォアグラ食って満漢全席に挑むみたいな感じ。谷隼人+タコ八郎というメンツで腹いっぱい、ゲップがでるあたりでドーンと渡辺文雄という、まさに胃袋の限界に挑戦という趣です。満腹のあまり苦しくなってくるとすかさず三原葉子が谷隼人に(よがりまくって)犯されて「32歳と4ヵ月守り通してきた純潔をおぉぉおおお」とか絶叫するし。いやそれはさすがに嘘だろお前!という観客の突っ込みは全て多岐川裕美の能面顔と渡辺文雄の濃すぎる演技で虫下しされるのであった。それはさておき、内容的には、唐突な司祭(渡辺文雄)の長崎被爆体験の告白やらに代表される陰々滅々といった展開で、画面色調も暗く、いつもの鈴木則文監督作品のような明るさがない分冗長で、いささか刈り込み不足という気がする。(あと谷隼人にはもうちょっとコメディリリーフとして登場して欲しかったな)多岐川裕美の白い柔肌にぎりぎりと食い込む茨のつる!降り注ぐ鞭!飛び散る鮮血!女の園で繰り広げられる痴態!司祭様、大きいのはお鼻だけじゃないのねとおすがりする女体の蠢き!なお、本作品で初めて「この物語はフィクションであり実在の」云々という脚注を見た。徳川セックス禁止令ですらでなかったのに。VIVA!大人の事情。

※鈴木則文監督と盟友?名和広氏をまじえたシネマヴェーラで行われたトークショー(司会特殊翻訳家の柳下毅一郎氏)のルポは後日UPします。しばしお待ちを。


聖獣学園

聖獣学園

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2003/10/21
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 2

MatRify

Comprar Levitra En Zaragoza http://abuycialisb.com - п»їcialis Zithromax Cipro <a href=http://abuycialisb.com>cialis</a> Canadian Pharmacy Largo Fl
by MatRify (2020-02-22 07:00) 

JanAscekly

Achat Cialis Forum <a href=http://apcialisle.com/#>Buy Cialis</a> Cialis Chez La Femme <a href=http://apcialisle.com/#>cialis canada</a> Priligy Peut Р“р‰tre Pris Avec Cialis
by JanAscekly (2020-03-17 18:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。