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丹波リン祭り!「白蝋城の妖鬼」 [映画レビュー※ネタバレ注意]

シネマヴェーラで開催中の丹波哲郎追悼「死んだらこうなった!」。正統的な見所としては「ジャコ萬と鉄」「豚と軍艦」あたりなんだろうけどサイテー映画好きにはあまりにも見逃せないチョイスがモリモリしておりまして、しかもそういうピンとくるのは日に一本ずつ(シネマヴェーラは基本毎日二本立て名画座式興行)という往年のファミコン抱き合わせセット販売公取委から文句が来るわよ☆みたいな感じですな。

そういうわけで個人的には「忘八武士道」(丹波リンは「明日死能」とかいうソテキネームで登場)や「お熱い休暇」(丹波リンが007なみの活躍をする。松岡きっこがボンドガールっぽい役で出演。若い!)、せむし姿がイカス「白蝋城の妖鬼」なんかが漢心をそそるラインナップでございます。(ものすごく見てみたかった「人間革命」が上映されないのは例のアレってことでしょうかねえシナノ)

んで「白蝋城の妖鬼」。製作大蔵貢っていう文字だけでどういう映画かよくわかるという或る意味非常に親切ですな。映画館内は好事家たちが寄り集まっておいヌーヴェル・ヴァーグのときより多いじゃねえか。まあなんだ、だからこそ日本は安泰なのじゃよチミィ。本編が始まる。

伊達藩お家騒動に材をとった内容。江戸時代、伊達藩城下に「白蝋太郎」と名乗る盗賊が跳梁跋扈する。家督を長男に譲ろうとしていた藩主は、江戸おもてに知られたらお取りつぶしに、と頭を悩ませ病に伏せる。お家の一大事に次男である剣の達人「振袖小次郎」が立ち上がる。悪霊を出でよ!やがて「白蝋太郎」の暗躍は、家宝「黄金の鷹」の謎を巡り白魔が美女が入り乱れ謎のせむしの活躍も相まってついに迎える大団円…大まかな流れはこんなところ。詳しく知る必要はないっす。なんせ大蔵貢映画なんで。

この手の映画を愛でるアテクシといたしましてはあからさまな「せむしメイク」で登場する丹波リンの勇姿に胸うたれたり、振袖小次郎(なんで藩主の息子なのに振袖?とか野暮なつっこみはダーメ!考えるな感じろ!というリー御大の言葉を胸にサイテー映画を鑑賞すべし!)のこれ見よがしの時代劇芝居に感動したり、ヒロイン絵草紙屋娘のこれまた記号的お姫様演技(鼻にかかった「若様~!」がマスト)にしびれたり、白塗りで「白子だから嫌われた人間がにくい」と嘆く「白蝋太郎」のチープさに日本映画の衰退を嘆いたり(ああこれが通用するこのころが一番よかった)。丹波リンのせむしがババーンとでてくるあたりと、多羅尾伴内ばりにせむしから一気に若武者姿になるあたりで場内爆笑。姉妹の背中の刺青をあわせると家宝の地図が!といういちばんのクライマックスシーンで「薬つけるとほーれこのとおり」とでてきた地図が子供が落書きしたふすま絵みたいな状態だったりする(ちゃんと矢印まで書いてある丁寧さ)ので脱力失笑。でもせっかくの丹波リンお得意の演説シーンも白蝋太郎の唐突な自害で打ち消されたりまったく大蔵貢わかってるじゃねえかとニヤリにやり。

こういう日の当たらない映画を見て喜んじゃうあたりオノレの業深さを感じたりしますが、それはさておき映画万歳!とテキトウにしめてまた明日。(霊界すごろくタンバ買っておけばよかったなあ合掌)


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