あんとに庵さんの個展をみて(牡蠣料理かなわ) [食いしん坊万歳!(グルメ)]
7/14、あんとに庵さんの個展を見に行く。
あんとに庵さんというのははてなで日記を書いてらっしゃる画家さんで、拙ブログにも時折コメントをくださる有り難いお方だ。ご本人はいま南の島で暮らされており、悠々自適かと思いきや日々ヤドカリやらの急襲と戦いつつ、カソリックの信仰とともに生きてらっしゃる方だ。ご本人を知らなくてもあんとに庵さんの手がけられた表紙の本を買われた方も多いと思う。
銀座の個展、というだけでなぜか緊張する私は田舎者だなとしみじみ思う。もしくは小心者か。東京生まれ東京育ちであろうがなんだろうが、あそこはいつも別種の緊張を強いられるようなだがそこがいい的な魅力の街であると、私は思う。
数寄屋橋の近くで小さな花を買う。クッキーか何か差し入れようかなと思ったけれども、はじめて参加することだし、今回はやめておくことにした。
30分ほど道に迷う。花はどんどんしおれてくるし。EZナビウォークも使う人間が情報を読み取れなけばたいした役に立つはずがない。ようやくたどり着いた。緊張するとろくなことがない。
あんとに庵さんの絵は中世宗教画(といっても私の勝手なイメージ)を連想させる。清楚でちょっと冷静で知的な印象があった。一通りみて回った後自己紹介をする。あんとに庵さんは柔らかい物腰で微笑み、言葉をかけてくださったが、なにせ当方が緊張の極みにあったゆえ、正直言ってなにを話したかほとんど記憶にない。あがってしまったよえーん。とりあえずミッチェルの着ていった銀バスTシャツが目にとまったご様子でその話をしたことだけ覚えている。辞去したのち、あまりの自分のふがいなさにがっくり。かなり落ち込んだ。自己嫌悪の極みにある私を見てミッチェルがなんか食べていこうよ、と誘ってくれる。
画廊の前に銀座ライスなどという店があったが、飯ばっかり喰ってもなあ、と言い合っていると突然「道に迷っている途中に岩牡蠣だしている店があったよ」。早速見に行くがかなり高い。時間は19時を過ぎて、あたりにはご出勤予定のお姉様方、偉いさんの乗った車を待っているであろう道路に仁王立ちになっている黒服、「銀座の土地は安くなるっつってんだろー」とリンカーン車の前で携帯片手に叫ぶ人、マリーアントワネットみたいな頭と白いドレスをあっさり着たテラべっぴんな人、などなど百鬼夜行 百花繚乱の様相を呈してきた。田舎者な二人は早々に退散をはかる。逃げろ!
そうしてたどり着いたのが、このかなわという店。岩牡蠣といった瞬間に決まっていたのかも。店には行ってすぐの所に「あなたはまだRのついた月にしか牡蠣を食べてはいけないなどと500年以上(年数は違うかも)も前の言い伝えを信じているのですか?」などとなかなかにアグレッシブ。生牡蠣とそば寿司、穴子の白焼き、牡蠣の味噌焼き、牡蠣雑炊と牡蠣牡蠣牡蠣のれんちゃんで挑んだ。
生牡蠣はジューシィで美味しい。レモンをきゅっと搾ってケチャップは少なめが私のベスト。生臭いと食べられたものじゃないが身がふっくらとして磯の香りがよい味わい。
そば寿司は穴子を芯にして巻いてある。穴子の白焼きと交互に食べる。まるで酒のつまみだが、酒は飲めないのでがっくりだ。白焼きがもうちょっと中柔らかく表面焦げているとベスト。そば寿司は文句なし。
味噌焼きはまず七輪が運ばれてくる。そして陶板が運ばれてきて中には牡蠣がいっぱい。生でも食べられるものをだしているとのことで生煮えでもOK。鮮度にはよほど自信があるようだ。味噌の味わいが牡蠣のうまみとあわさってまさにベストカップル。
最後の雑炊は牡蠣の磯臭さがあまり味付けしてない出汁の唯一の句点のような感じで美味い。そんなわけで贅沢な一日だった。
>アキオっち
nice!ありがとうね~~~
by 瑠璃子 (2006-07-24 02:07)