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84歳ラッパーの声を聞け!交通地獄と借金地獄、アナタならどっち!? [音楽レビュー]

交通地獄そして卒業

交通地獄そして卒業

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2005/11/18
  • メディア: CD

「三千マ~~~~ン」
と明るく明朗な声で歌ってみた。なんのことやらというわけでご紹介するのは「交通地獄…そして卒業」。 この坂上弘さんは御年84歳。84歳の年齢を吹き飛ばすかのごとくラップ。84歳とラップではどうしても間に入るのは昨日の残りのおかゆだか雑炊だかというノリなのだが、まずは聞いてびっくり。のどを震わせるような美声にまずノックアウト、凄惨な事故にあった内容をダイレクトにラップするそのライム(バターン、キュゥ)にノックアウト、さらにさらにちょっとズレたリズムに飄々とのりまくる「三千マーン」にボディブローでスリーカウントとられて終了。こんなすごいのは滅多にない。ぜひ聞くべし。なにがなんだかわからないだろうけど、だがそれがいいのだ。 個人的にはこれでもう言うことはないのだが、このまま終了としてしまうのはあまりにも不親切なのでかいつまんで説明。この歌は、坂上さんの実体験を基にしている。「甲州街道をバイクで進み、そよ風きって走っていると」突然トラック野郎に「追突されてOH!NO!アタマからまっさかさまに地面にぶつかりバターン(キュゥ)」地獄の閻魔様の台帳には名前が載ってないので生き返って、リハビリに苦労したけど「保険慰謝料三千万!」手にして「花のキャバレー一直線」そこで「見目麗しきリンダちゃーん」と出会うが…「巻き上げられてOH!NO!」という内容である。文字にするとかなりすさまじいことになっているが、「からん~からん~困ったね~」と歌のほうはいたって暢気。「あーっという間にすっからか~ん」なんて聞くとなんとなく楽しそうな気すらするから不思議だ。この「すっからか~ん」には坂上マジックとでもいうべき呪文効果があり、なんとなく気がつけば「すっからか~ん」と口ずさんでいたりする。まさに魔力あふれる傑作CDと言える。 曲順は以下のとおり。

1、交通地獄
2、卒業
3、やまと寿歌
4、恋しのアンヂェラ
5、借金地獄
6、交通地獄 Remix
7、卒業(ライブ・バージョン)

 このうち、必聴はなんといっても「卒業」と「借金地獄」。ちなみにこの「卒業」は持ち歌の「交通地獄」よりも評判がよい。だってねえ、80過ぎた爺さんが「センセイ!アナタはかよわきオトナの代弁者なのか」と声を震わせ絶叫するんだもの。それがいいンだな。「信じられぬ大人との~」という歌へ“おめえはオトナじゃねえのか”なんていう無粋なツッコミを鏡の如く跳ね返す笑顔。

年寄りじみて物のわかったような発言されるよりは、何歳でも不良やってるような姿に、やっぱり惚れますねえ。男とはかくあるべし。 「借金地獄」は“シャッキンシャッキン”というリフレインが耳から離れなくなること必須。気がつくとシャバダバダーなんて歌っていたりして。脳への染み付き効果絶大。 84歳の挑戦、アナタは受けて立てるか否や。

視聴したい方は
コチラ


※先日、新宿タワーレコードで行われた坂上さんのイベントへ参戦してきたのですが、いや実にお元気。パワー全開で歌っておられました。店全体が歓喜で震えたように感じたのは、私だけではない、はず。


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まいけるさん

人生の卒業が近づいている人が歌う『卒業』。何か染みます・・・。
特にこぶしの回しがヨロシイ!。こんな歌い方があったんだ!。
いい発見です!。
by まいけるさん (2006-04-06 21:05) 

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