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能天気なB級に徹してくれればいいのに「ザ・コア」 [映画レビュー※ネタバレ注意]

ザ・コア

ザ・コア

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/25
  • メディア: DVD
 
思えば、映画っつーものの面白さについて教えてくれたのはいつも「日曜洋画劇場」だった。トム・クルーズのキング・オブ・ハリウッドスマイル、マイケル・J・フォックスのとっちゃん坊やっぷりも、シュワルツェネッガーのみそっ歯仕様も。そして忘れててはならない淀川長治センセイは常にキープオンスマイルでどんなダメ映画も楽しそうに解説してくれていた。(わたくしごとで恐縮だが、一度淀長さんの解説付きのフェリーニ映画を見に行ったことがある。上映後、かなり小さい人が壇上にあがり、それが淀長さんだった。彼はテレビとはうってかわって、一言でフェリーニ映画を切り捨てていった。閑話休題)

そんなわけで25日、ぼんやりとまた日曜洋画劇場をつけてしまった。今回放映は「ザ・コア」。これ、有楽町マリオンの映画館で劇場予告編を見てああアレな映画だな…という印象が強く残っていたやつだったな、とすぐに気がつく。
お話としては、地磁気かなんかの乱れから異常気象や動物の異常行動死亡事故が頻発し、主人公である科学者が調べてみると地殻変動が原因であることが発覚。地球の命はあと3ヶ月!この事態を打開するためには、チームを組んで地球の核(つまりコアっすね)まで到達し、そこへ核弾頭を打ち込み、刺激し、再びコアを流動させなければならない。決死隊に選ばれた主人公たちは果たして地球の危機を救えるのか!?
まあ定石をはずさない物語展開っていうのは、飯の片手間で見る分には問題ないような按配。地球の危機が異常気象で人がズンドコと死なない限り判明しないっていうのもお約束だし、主人公がネクタイの締め方もしらないようなはみだし科学者っていうのも想定内。このプロジェクトチームとして選ばれるのが、黒人のおっさんと女性宇宙飛行士と手柄の横取りを企てる科学者、朴訥な武器操作役のジジイ、女性宇宙飛行士の上司である船長、コンピーターおたく、などこれまた定説でございます。注釈つかないのはみんな白人。いつも思うのは地球の危機の癖に、対処するのはアメリカ一国だけなんだな。世界の警察だしねえ、その気負いさ加減がいかにもアメリカンだよHAHAHAHAというノリで香ばしいですな。
で、このプロジェクトチームメンバーなんだけど、特に黒人のおっさんは都合よく、砂漠の片隅で「圧力をかければかけるほど強くなる」という即座に“どんなんだよ!”とツッコミが入りそうな金属を、砂漠の片隅でこつこつ人知れず研究しているわけですよ。つーかそんな世紀の大発明を一人で人知れず研究してるって…。金はどっから工面してんだろ。コンピューターおたくのやつはひょろっとしたチビでいかにもという感じ。まさに俺たちは特攻野郎テラチームという具合で、都合よく集められた都合よい人材が決死隊というわけなんですよ。
んでもってモスラみたいな形した掘削機兼爆撃機“バージル号”に乗って地球内部へ侵入する。途中地底生物とか地底人なんかがでてくるかとワクワクしながらお汁でテカっていたわけですが、そんなこともなく、非常に地味でチープなCGが続く。問題発生するごとに一人また一人と自己犠牲の名のもとにぼんぼんと野たれ死んでいくのですが、製作者の嫌がらせかその死にいく様子を断末魔の雄たけびなんかとともにじーっくりとこれでもかといわんばかりに舐めるが如く見せてくれる。このあたりでお茶の間にはかなりいやな空気が充満すること必須。一回だけならまだしも、半数以上がそうだと、ねえ。食傷を通り越して胃痛胸焼け胃のもたれ。こんなのを映画館で密閉空間と大画面の波動攻撃くらったらトラウマ必死。よい子は見ないでね☆

しかもねえ、結局この騒動がアメリカが起こして、てめえらで尻拭いという設定を知ったりするとよりイヤ~な感じが濃厚に。こういうB級科学考証一切無視のおバカちん映画なのに暗くて隠隠滅滅とした物語では気力が萎えまくり。もう少し明るくとお願いしたいところ。
まあそんなこんなで地上では一生懸命コンピュータおたくの少年が援護してくれたおかげで、無事コアを再起動、脱出、シャチが出迎えてくれたよキャッホーイとハッピーエンド。最後だけ能天気だったというオソロシイ結末でした。

しかし終わってしばらくして気づいたけど、出ていたんかヒラリー・スワンク(アカデミー2冠@オルタネィティヴ変体系)。キャットウーマンにでてアレな女優になっちゃうこともあるんだから、一応シゴト選ぼうぜなんて、てめえが選べないくせになんだよ!と逆ギレしてみてもなあ。とにかく見るものがないときや無意味に多幸感につつまれて、俺ってちょっとアレかな、というときにみるといいかもしれない。ダウナー養成映画でございます。

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