文京区ベトナム料理インドシナ [食いしん坊万歳!(グルメ)]
夜桜を見てぷらっとする。東京のような場所では、ソメイヨシノみたいな桜花は圧倒的に不利だ。ここではソメイによく似合うといえば、夜か曇天かあるいは霧雨もしくは小糠雨。どちらにしろ、あっけないほどの青空というのは、不幸かな、あまりあわない。もしも東京が、目も覚めるほどの青空ならだいぶ違うのだろうけれども。
そんなこんなで雨の中、春霞の如く風に揺れ、花びらを一枚、また一枚と落としている桜を堪能した後は、近くにあるベトナム料理の店に入って腹ごなし。
この年になれば、だいたい“この料理はあそこ”と相場を決めてしまった分野がいくつかある。ベトナム料理は特にそうで、昔、高校で一緒だったベトナム人が教えてくれた店に以来ずっと通い続けていたりする。それは池袋にある「サイゴンレストラン」。チューボーですよにとりあげられるようになったらしいが、しかしビルの上は個室ビデオ、下は(今は違うが)ピンサロだったという極めつけの環境であったのに、出世したモノだ。
だからあまり期待してなかった。期待してないからこそ、ということも、ある。まあ、それもまた期待なのだが。
店の中はこんな感じ。細長い。コックさんはかなり修行を積んだ方らしい。いくつか頼んでみた。
まずは定番の生春巻き。ソースはニョクマムのみ。池袋ではこれに甜麺醤とピーナッツバターを混ぜたようなコクのあるソースがつくのだが…と比較してもせんない話し。皮が一カ所破れていた。味はまあまあ。可もなく不可もなく。
楽しみにしていたカキの薫製。780円で四つつく。しかしこれが本当にただ「薫製にしました」というフレーバーで、もうひと味なにかほしいところ。唐辛子とか、なんというか、さくらのチップかなんかでスモークしたほうが、なんらかの味付けにもなっていいのではないかと思ったほど。嗚呼チャンドラーズハウスに行きたいな、などとフシギと他の店を連想してしまう味なんだなこの店は。
揚げ春巻き。可もなく不可もなく、といった味付け。ぱりぱりしてて美味しい。
さっと煮たオクラにオイスターソースベースの味付け+桜エビのソースを上からかけたもの。これまた可もなく不可もなく。
このお店自慢のチキンライス。焼いてはおらず、トマトソースで煮たチキンをご飯の上にかけたもの。ご飯は強目。味は普通。やはり可もなく不可もなく。
最後にベトナム風お好み焼き。ココのは皮がぺっしゃりしている。個人的にはもっとパリッパリになっている方が好きだ。中にいるもやしも少なめでいささか物足りない。若干の工夫が欲しいところ。ちきしょう、サイゴンレストランにいきたくなったぜ、
そういうわけで全体としてなにか足らない、可もなく不可もなくといった味に終始している印象だった。コックさんはいろんな資格をもった偉い方のようだけれども、そういう宣伝文句を載せるよりも、もっと味に創意工夫を見せて欲しかった。
TBさせていただきました。わけあって(?)ベトナム料理のチキンライスを求めていました。ベトナムのチキンライスはちょっと考えていたものと趣が違うようです。でもこれはこれで美味しそう。よかったら、TB返してくださいませんか。よろしくお願いします。
by (2006-04-02 23:16)