SSブログ

中共の対日戦略の一端が明らかになるか。「延安リポート」 [書を捨てよ、街へ出よう(読書感想)]

非常に楽しみな本が2/24発売される。

延安リポート ―― アメリカ戦時情報局の対日軍事工作 ――

大戦末期,アメリカの軍事視察団が延安を訪れた.日本兵捕虜を使って有利に戦いを進める八路軍の戦略にアメリカは多大の関心を示し,中共側も進んで情報を提供した.米戦時情報局が野坂参三らの協力を得て作成したリポートは,戦後の米中関係の悪化で長い間ベールに覆われていたが,この度情報公開された.これはその全訳である.

                       以上岩波書店紹介ページより引用

今朝産経新聞を読んでいたら上記本の紹介があった。その部分を読んでかなり購読意欲をそそられた。2/4付産経新聞東京版朝刊の紹介によれば、『この延安リポートは、中国共産党(中共)による対日プロパガンダや日本捕虜に対する“洗脳的教化”の実態を調査したものだが、戦後の米国の対日・対中政策にも影響を与えたとみられており、貴重な一時資料といえそうだ』とある。

さらに同記事内容を引用すると、

 リポートの「捕虜の扱い方」では、中共は「一般的に日本人の自尊心は非常に強い」と洞察し、日本人捕虜を質問するさいには、「優しく、穏やかに」と指導。また、負傷した捕虜には手当を施し、戦場の日本への死体を「一時的な感情」から損傷することを戒め、逆に大事に葬り、墓標をたてるべきだ、と説く。
 こうした指示は一見、人道的だが、その根底には一般の日本兵や日本人が戦争を遂行する指導部を嫌悪し、「否定的な厭戦気分から積極的な反戦意識」を持つように教化するための中共の冷徹な計算があった。後に中共側の98人の日本兵捕虜に対して米側が行った「意識調査」では戦争や天皇制を否定する声が9割を超した。

とあるからかなり緻密な計算が行われていたことを、このリポートが示唆しているようだ。このレポートの主要執筆者の一人ジョン・エマーソンは後にGHQのマッカーサー政治顧問付補佐官を務めたりしているので、例えば真相箱といった放送内容などにもこの中共が行った教化政策の一端を利用している可能性は否めないだろう。ホンカツなんて言う人も、何十年たった現在もなお、この教化政策のなかで生きている化石みたいな存在だろう。
ただ私としては、果たして「冷徹な計算」ということだけで日本兵に対し徳をもって応じていたかという疑問点は浮かんでしまう。おそらく情をもって接することも、冷徹な計算も、どっちも真実なのではないだろうか。中国という複雑怪奇かつ怪物のような形成する要因を侮ると日本はまた対中問題を見誤るおそれがある。とまれ、非常に楽しみな本である。


nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 3

うわぁ。。。
その本は読みたいです・・・
野坂参三も気になりますww
by (2006-02-05 12:37) 

アキオ

そうですね、、どっちも、、でしょうね〜

割り切った考えってのは、結局相手に受け入れられなかったりで
うまくいきっこないようなきもします。 
by アキオ (2006-02-06 00:27) 

ガワ氏

人間をコントロールするという点で見たとき中国共産党(特に毛沢東下の共産党)というのはものすごい優秀な組織だったのだと思います。私の中国人の友人が「毛沢東は中国人の弱いところを知り尽くしていた」といっていたのを覚えています。そこから考えるに中国側の兵士たちが日本の捕虜に対して情を抱くということさえも計算に入れていたのではと・・・
by ガワ氏 (2006-02-07 10:52) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。