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(グロ注意!)みたままつりで考える。 [今そこにあるモノを見にいく(ルポ)]


ミッチェルが手術のため、入院することが決まった日、わたしたちはみたままつりにいった。しめっぽい気分を吹きとばそうぜとお囃子に誘われて。夕闇と夜の中間あたりの時間帯は、夏の場合、まだ陽射しに力がある。

境内は大変な人だ。

最近の屋台は実に国際色豊かである。ちょっと見ただけでも、

このほかに、ドイツソーセージ、シャーピン、おなじみドネルケバブなど神社の祭りで国際交流できるようになっている。なんと便利な時代となったことか。その中で

なぜか宇都宮餃子が。

人が集まっている屋台は、和牛串焼きなどの肉系、じゃがバターなどの定番、ゲーム系。中でも印象的だったのは、飴細工の職人さんの見事な手さばきに感嘆し、周囲を取り巻く人々の群れ。和洋折衷、新しきものの中に古き良きモノがある。その混在が屋台文化であるのだろうか。小玉すいかをまるのまま水につけて売っている店があり、どうするのだろうと思っていたらちゃんとふたつに割って販売していた。浴衣姿のお姉さん方が二の腕むき出しでかっくらう姿はなかなか壮観であった。

さすがに靖国神社らしく、境内は屋台で埋まっている。参道の両脇びっしりである。 ただ閉口したのは、ある地点を通過する際、かなりの悪臭(反吐のようなにおい)が漂ったこと。これにはまいった。どこかの店の食材が腐ったのだろうか。あの地点の屋台はかなりの売り上げダウンだろうと察せられた。

一応時流に乗って、小泉総理大臣の提灯を見に行った。

さすが古賀センセイ、ヌケメナイですな。

その近くにはコンナ提灯が。解脱会?

 境内を散策しているウチになんとなくヘンな気になってくる。それは苛立ちにも似たヘンさであり、つらつら思いめぐらすに、どうやらそこここに生息する浴衣女子の凄さに端を発しているのがなんとなくつかめてきた。浴衣姿で外股歩きは当たり前だし(親は教えないのかね?)、あまりよい浴衣地ではないのか、変に皺がよっているひと、サイズが小さすぎておはしょりがオカシナ具合になっているひと。普通の浴衣に兵児帯(よく子供が締めるふわふわした帯)を締めているひとにいたっては癲狂院から脱走してきた患者のようですらある。これはおそらく彼女たちの親世代が正確に和服なるモノを伝達できてないということを明確に表している。文化の断絶を感じた。大げさにいえば旧仮名遣いが読めなくなった時点でこの路線は想定の範囲内といえるのかもしれないが。まあそれはともかく、布巻いて帯締めりゃ浴衣になるってモンじゃないぜってことだ。

売られる靖国の鳩や

なぜか側溝に落ちていた人形?を見付けたり。時間はすぐ過ぎてしまう。境内は屋台のにおい、人いきれ、体臭などでさまざまなにおいが混沌未分となって充満している。このカンジは嫌いではない。においのただ中にいると、懐かしい思い出が喉まで出かかっているような、未満的気分を味わえるような気がする。

ふと聞こえた口上にひかれ、見せ物小屋を見に行く。

この怪しげな装飾、怪しげな香具師、怪しげな煽り文句。雰囲気十分である。私が初めて見せ物小屋に入ったのは、ここ、靖国神社だった。あのときは「獣人お峰太夫」がかかっていた。河童、牛の奇形(アタマが二つあって胴体が一つというモノ)手品等々。どれも強烈だったが、とりわけてアレだったのが、蛇を鼻から入れて口から出しているおばさんの渋い顔とお峰さんが蛇を生で逝っているところ。今思い出してもあじわい深い。そんな楽しい過去よもう一度、ということでひとり600円払って(後、これが大枚であったことを思い知らされる)小屋にはいった。

(以下グロテスクな画像が含まれます。ニガテな場合避けてくださいませ。)

 中の舞台には赤い着物を着たおねいさんがひとり、口上を述べている。どうやら鎖を利用してなにかをするらしい。
最前列にいた馬鹿ふたりが、堂々とキスしたりといった破廉恥行為を。おねいさんにさりげなく注意されてました。当たり前だ。場所を考えられない知能の方が見せ物なぞ楽しめるのだろうか。まああまりにも小屋の中が蒸し暑かったのでなにか誤解されたのかもしれません。ビバ!パッション!そんなこんなで口上は続き、いよいよショーがはじまるのです。


鼻に入れてます。これをどうするのでせうか。


はい!見事口に通しました。パチパチパチ。こういう状態でもおねいさんは笑顔で口上を続けます。素敵ですね。この後鎖を利用して、水の入ったバケツを持ち上げます。さすがに痛そうだったので、画像は撮れませんでした。お客さんの拍手でおねいさんも苦労が報われたというものです。
スルッと外すと、次は袋から取り出したる蛇。これを利用して生食いです。

遠くからではなにがなんだかわからないので近寄ってみましょう。


今回も豪快にばっくりいってます。「少し硬かったですけど」とはおねいさん談。しかし蛇には寄生虫がおりますので、シロウトの方は用法用量を守って正しくお使いくだされたく。

ふたつ出し物を終えるとおねいさんは「二部にうつります」と舞台をおりた。入れ替わりにバンドメンが登場。ギター、ドラム、エレピ、ベースというシンプル構成。ギターのお兄さんはどうやら裸のラリーズ・水谷さんを意識しているようですね。狙いすぎて別方面へ逝っている気がしないでもないですけど。音あわせだか場つなぎのメロディだかわからないリズムっぽいものがしばし続き、退屈しかけたところでダンサーズが登場。



ダンサーズのストリップショー、フレンチカンカンでもはじまるのかと思いきや、↑この下の写真、左端にうつっている女人が中央に登場し、歌謡ショーが始まった。真っ赤にもーえたー♪まで聞いたところで我々は退散。これほど600円が高いと思ったこともそうはない。

おそらく目指すところは60年代後半から70年代にかけてのアングラ、雰囲気としては懐かしの状況劇場・紅テント、天井桟敷あたりのイメージなんだろう。しかし金がなかったから、とかなんとかではない、別な方面でなにか非常な勘違いをしている気がした。それは先に書いた浴衣女子と同じような間違え方、ともいえよう。見せ物小屋がもつ表層のみを撫でさすったような物足りなさ感、特にバンド演奏のところなど、みていて尻の穴が痒くなるような思いがした。だいたい観客が見たいと思っていることがわかってないのではないだろうか。客が見たいのは巧いのか下手なのかわからんような歌謡ショー(大西ユカリと新世界の劣化バージョンみたいな)ではなく、でっかい板に血糊塗った「大鼬」であり、トリック丸見えのろくろっ首、そういう本来の見せ物小屋がもつ猥褻感、うさんくささ嘘くささであり、それは口や看板に書けば醸し出されるモノではないのだ。これがお峰太夫の芸なら1000円払っても高いとは思わない。こんなツマランものを見るために600円だしたわけではないのだ。私はふと思い出した。以前、丸尾末広の少女椿をアニメ化したことがあり、その上映方法もかなり凝っていた。まず興行場所として、神社の境内にテント小屋を仮設し、上映までは、奇形写真、チープさマルダシの生首といった見せ物系、あるいは火吹き男といった大道芸といったいかがわしさで盛り上げた上、小屋へ誘導する。そこには本来の日陰者としての退廃が確かに息づいていた。今回、この様な形で見せ物小屋と遭遇したのは、不幸であったという他はない。

暗い気持ちで外へ出る。参道には神輿がでていた。威勢のいいかけ声、溌剌とした空気。わたしたちは行き過ぎた後も、ずっとみていた。 


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コメント 11

オサルノカゴヤ

ぐはははは〜。ほんとにグロいっすね。
見せ物ってこういうことなんだ〜(社会勉強)
by オサルノカゴヤ (2005-07-18 05:00) 

へー八郎

御霊祭り懐かしいっす。
駆け出しの頃、事務所が九段上にあって、花見の場所取りなんぞを徹夜でさせられたのを思い出します。
しかしまぁシュールなムードっすねぇ(笑)
by へー八郎 (2005-07-18 06:40) 

(ー人ー)<大枚600円投資
タダなら絶対に見たいっ!(w
by (2005-07-18 08:48) 

ぽん太

おーーお、今も健在でしたか・・・ヘビ女・・ネコ娘はいずこに。
口上で釣っておいて、オオイタ血〜で、大枚何百円、ハイお帰り〜が通じない。一芸一本にダマサレニ行くという感覚ないね。場所も見せ物で複数箇所取れなくなってるんだろうし・・。
by ぽん太 (2005-07-18 08:58) 

たー助

こんばんわ たー助です。

突然ですがブログをしめることに
なりました。

何度かお話をさせて頂きまして
ありがとうございます。

しかし最後に見たものは・・・へび食ってるし。。。

瑠璃ちゃん! 
一度瑠璃ちゃんって呼んでみたかったのです。
by たー助 (2005-07-18 19:32) 

Mariel

はぁ・・・(´д`;)
めくるめく混沌の世界・・・
一度も「見世物小屋」に入ったことのない私にとっては
大枚(600円)払っても入ってみたい場所ですね。
まぁ、鼻に鎖は・・・結構簡単なんでいいですが
さすがに蛇はねぇ。
酢で〆ないサバを食べる・焼きレバーを生で食べる
って感じでかなり危ない香りがプンプンしてきますね~
そのお姉さんも気になりますが、ミッチェルさんは大丈夫なのですかね?
by Mariel (2005-07-19 00:58) 

瑠璃子

やあ。諸事情ありてレスが遅れました。ごめんなさい。

>オサルノカゴヤ氏
このグロさがまたいいんだなあ。もっと本来の見せ物小屋ってエグイっすよw まああなたの街にももっとキョーレツなのがくるかもよ♪

>へー八郎氏
この作ったシュールさにどうもアタシは尻のかゆさを感じちゃうんですよね。みたままつり自体はカオスですけどw
花見の場所取りは新人の修行らしいですからなw

>ひかりこ氏
タダならねーw 600円が大枚に思えるショー内容が哀しいかつた…

>ぽん太氏
これはちょっと普通の見せ物小屋とは違うみたいですけどね。10年ぐらい前で全国ではもう一団体しか残ってないという状態だったみたいですね。既にレジェンドオブ見せ物小屋ってことなのかも。ああいう興業に騙されに逝くって感覚、今はもうあまりないのかな…。

>たー助氏
辞めちゃうんですね、ブログ。残念だわ…。お昼ごはんなのに蛇食いでごめんなっすってw どこかで復活したらまた教えてくださいね。遠い空より祈ってますわ☆
追伸:瑠璃ちゃんなんてありがとさんどす。

>Mariel氏
鎖は見た目結構グロイんですよね。しかし蛇食いには負けます。ただ生蛇食いは寄生虫がいてマンソン孤虫症などになる恐れがありまして…怖いのぅ。でもそのふたつしか見せ物小屋としての出し物がないのはかなしい。おねいさんの健康を祈念します。
ミッチェルは元々ある病気に罹患していて、そのため手術せなならんことになりました。1ヶ月ぐらい入院します。いまは至って本人元気なんですけどね…。
by 瑠璃子 (2005-07-19 13:20) 

瑠璃子

グロ画像アリにもかかわらず、nice!ありが㌧
by 瑠璃子 (2005-07-19 13:51) 

neroli

子供の頃に、ませた同級生や、大人たちから聞いた「見せ物小屋」の
ねっとりしたグロさや、背徳の香り、そんなもろもろのものを、
いまだにどこかで夢見ていたわたしには、これはサッパリと健康的
すぎました(寄生虫は怖いけど)・・・・ガックシですね。
by neroli (2005-07-20 21:17) 

瑠璃子

>ネロリ氏
なんかグロくない見せ物小屋ってゴーヤーのないゴーヤーチャンプルーみたいっす。決定要素が欠けてどうするってヤツで。バンドよりストリップでもやればそれはそれでいかがわしくてよかったのにネ!nice!ありがとう。お互い無理せず浮上しませう。
by 瑠璃子 (2005-07-21 03:51) 

ぽん太

大道芸系で組合は一つ(関東)ありますね。こちらは寄席芸中心みたいな団体ですが・・つてでなんでも揃えられまっせ。やっぱり大須に行かないとね・・。
by ぽん太 (2005-07-22 12:35) 

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