春の鬱にはストーンズを。 [音楽レビュー]
ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」だ。
昼休みの帰り、やる気のない蕎麦屋でどうにもしょっぱいかけそばを腹に収めれば、その過剰塩分が体に満ちて、どうにもだるくてたまらない。だらだら歩く交差点のど真ん中でそれはかかった。iPODシャッフルは大抵いい仕事をするが、今日も拝みたくなるくらい順調にやってくれる。
こんなことをいえば「ブライアンオタク」だの「ブライアン厨」だのとそしられることを承知してはいるけれど、確かにブライアン亡き後もミック&キースは良質でエアロスミスほど泥臭くはないブリティッシュの香り漂う絶妙なロックンロールであり続けてはいる。だが、やはりブライアン・ジョーンズがいたあたり―最大1970年までがいちばんいい時期であると思う。根源的な力の存在が楽曲の中に生きている。
ストーンズの曲の中で、ブライアンはうまく絡んでいるとはいいづらい。例えば「MOTHER'S LITTLE HELPER」でシタールなんぞを弾いてるがそれが楽曲に対し有効なアレンジではあるかといえばそうでもない。「レディ・ジェーン」でのダルシマーやハープシコードがホントに必要だったのか、といえばやはりそうでもない気がする。結構余計な添え物感もしたりする。
だが、だからこそ、それは必要なのだ、と断言できる。どうにも不要な感じのするその一音がストーンズをストーンズとたらしめているのだ。黒っぽいリズムと唐突なシタールの混在が混沌としたグルーヴを作り上げる。その原始的な彼の音がストーンズの脊髄であったのだ。ブライアンを切り捨てることでストーンズそのものは長命を図れた。だが、ブライアンのいなくなった後は、年をとったせいもあるけれど、あの原初的な黒いリズムを失っているような気がする。
春は憂鬱を誘い、気力も動く気もそぐ。ただ眠いだけでのんべんだらりとまさに惰眠をむさぼるしかないというのは、ある意味危機的状況なのだが、その危険に気づかず、罠の只中にいて「志村うしろーうしろー」と叫ばれてしまうような、本人だけはのんきであるのだ。だいたいヤバくなってから気づく。今回もそうだった。
「ホンキートンクウィメン」のあとになぜか「ジャンピンジャックフラッシュ」。その真にロックなスピードは私の体に深く埋め込まれ、渦を巻き、エネルギーを生み出す。
黒いうねりが続く。私はゆっくりと目を見開いた。なにかが、変わり始めた。
ブライアン・ジョーンズとは恐れ入りました。
「ロニーの次は俺だぜ!」カン違いだらけの青春。懐かしくなりました。
久々に聴いてみるかな、ストーンズ。
by ja3ja (2005-04-18 18:57)
>ja3jaさま
あいやー、こんなところまでよくおいでくださいました。
某所ではお世話になっておりますw がんがって続けましょうw
まあそれはアレですが。
ストーンズ、中学で初めて聞いて以来ずっとずっと好きですね。
ブライアンはなにせものすごーくカコイイ!んでやっぱり最初に好きになる感じですね。音楽的なことはおいておいて。
最近のストーンズもいいですよ。ライブにも行きたいけど…やっぱりなにかこう、違うんだな。
でも爺だからなあもう。次の来日公演にはいきまっせw
by 瑠璃子 (2005-04-18 20:23)
黒いうねりといえば、これはもう杉良の「江戸の黒豹」しかないな。
by わらばー@見ッチェル (2005-04-19 11:13)
>時代ヲタ
(・∀・)カエレ!!
by 瑠璃子 (2005-04-19 12:20)
はじめまして。
BIG HITS2はイギリス版編集の方が
曲目・曲順よかったですね。
こちらをデジパック・ハイブリッド版でだしてほしいですよ。
TBいたします。
by rawramp (2005-11-23 01:59)
TB、ありがとうございます。
ストーンズは大好きで、はまり続けてます。
又、よろしくお願いします。
by Johannes(ヨハネ) (2006-01-14 21:03)